ロンサーフの大腸がんへの治療効果をアップさせる方法と副作用について
こんにちは。山本洋平と申します。がん治療を専門の1つに総合病院で勤務しています。
本日は、ロンサーフの大腸がんへの治療効果をアップさせる方法と副作用について解説します。
大腸がんの再発やステージ4の場合は、ロンサーフ(一般名は(トリフルリジン/チピラシル))という飲み薬の抗がん剤が、用いられることがあります。
3次治療以降に用いられます。
そしてロンサーフの治療スケジュールは、以下の通りです。
「1日2回、5日間連続経口投与したのち、2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する」
ロンサーフの効果とは?
1次治療や2次治療では、効果がかなり期待できる抗がん剤が、用いられます。具体的には、以下の通りです。
「オキサリプラチン、イリノテカン、アバスチン、TS-1、ベクティビックス」の中から、何種類かを組み合わせる
そして、3次治療以降は、ロンサーフもしくは、スチバーガが、用いられます。
しかし、ロンサーフは、がんの劇的な効果が期待できる薬剤では、ありません。
臨床試験においては、約2.4ヶ月生存期間を伸ばすことが、できるという結果でした。
ロンサーフの効果を、高める方法とは?
ロンサーフと同時に、アバスチンという血管新生阻害薬を投与すると、より良い治療効果が期待できます。
臨床試験では、以下のような結果が出ています。
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主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値を比較すると、以下の通りとなる。
ロンサーフ単剤群2.6ヶ月
ロンサーフ+アバスチン併用群5.9ヶ月
ロンサーフ+アバスチン併用群で、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを49%減少する。
参考文献:TAS-102 plus bevacizumab in metastatic colorectal cancer – Authors’ reply
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以上の結果を踏まえても、検討すべき治療方法でしょう。
主治医よりロンサーフ単独の治療の提案であれば、アバスチンを併用できないか聞いてみて欲しいです。
ロンサーフによる治療を受ける段階の注意点
医師の間では、ロンサーフを検討するときに、かならず、スチバーガという選択肢についても、検討します。
どちらを先に用いるのが良いかを、考える必要があるからです。
結論から言いますと、どちらを先に用いても良いです。効果も、ほぼ同じです。
そして、私は、ロンサーフの方が副作用が少ないので、ロンサーフを先に用いることが多いです。
ロンサーフと同じくらいの効果とお伝えしたスチバーガに関してですが、スチバーガを投与した結果、副作用で体調を大きく崩されることは珍しいことではありません。
一番懸念すべき副作用は、手足症候群になります。手足の指などが赤みを帯び、痛くて歩けなくなることもあります。
私はスチバーガの治療にはとても慎重になります。副作用で体調を崩される方をたくさんみてきたためです。標準的な量より少し少なめにして処方をして、大きな副作用が出ないかをチェックするようにしています。
ロンサーフの副作用は?
最後に、ロンサーフの副作用を解説しますね。
ロンサーフの副作用で、一番懸念すべき副作用は、好中球減少、白血球減少となります。
幸いにも、好中球減少は工夫をすることにより、かなり制御できます。
副作用の発症頻度の詳細も、以下に記載しておきます。
- 白血球減少の出現頻度:80%(重度のものは30%)
- 貧血の出現頻度:60%(重度のものは20%)
- 血小板減少の出現頻度:40%(重度のものは10%未満)
- 吐き気や食欲不振の出現頻度:60%(重度のものは10%未満)
- 疲れやすいという症状の出現頻度:50%(重度のものは10%未満)
- 下痢の出現頻度:30%未満(重度のものは10%未満)
- 嘔吐の出現頻度:30%未満(重度のものは10%未満)
体調管理をしつつ、治療を受けていってくださいね。