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2022年6月と7月に承認された抗がん剤をご紹介いたします。

 2022/09/02 新薬  

こんにちは。加藤隆佑です。

本日は、2022年6月と7月に承認された抗がん剤をご紹介いたします。

そして、一番最後に、乳がんに対する非常に有望な薬剤について解説します。

1、ジェセリ錠

がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍に対して用いることが薬剤です。消化管間質性腫瘍とはGISTといった腫瘍を指します。

この薬剤の興味深い点として、がん細胞や腫瘍組織に多く発現するタンパク質であるヒートショックプロテインを阻害することで、腫瘍の増大を抑制するという点です。

ここから先は私見ですが、消化管間質腫瘍以外のがんにも有効な可能性があります。

2、ジーラスタを、抗がん剤をした投与した日に投与することが可能になります。

ジーラスタという薬剤は、抗がん剤による白血球減少を回避するための薬剤です。

ただ、抗がん剤の投与から24時間あけて投与しないといけません。

したがって、患者さんには、抗がん剤の投与の翌日にも、病院にきていただかないといけませんでした。

ただ、新しい機械が開発されて、抗がん剤と同じ日に投与することができるようになります。

患者さんの通院負担を減らすことができるという意味合いで、画期的な機械です。

3、リムパーザ錠

BRCA 遺伝子変異陽性の乳がんの術後の再発予防の薬として、用いることができるようになります。ただし、投与期間は1年となります。

4、キイトルーダ

腎細胞がん術後の再発予防に対して用いることができるようになります。

5、タグリッソ

EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける再発予防のために、用いることができるようになります。

さて、今後、非常に有望視される薬が、エンハーツという分子標的薬です。

これまでエンハーツは、HER2というたんぱく質が、たくさん認められる乳がん、いわゆるHER2陽性の乳がんに対してしか、用いることができませんでした。

そして、HER2というたんぱく質が、ほんの少ししか認めない乳がん、つまり、HER2陰性乳がんには、用いることができませんでした。

しかし、HER2というたんぱく質が、ほんの少ししか認めない乳がんに対しても、エンハーツが非常に効果的であることが、判明したのです。

HER2陰性とされた乳がんの方の中には、HER2というたんぱく質が全く存在しない方もいますので、その場合は、エンハーツを使えませんが、HER2を少しだけ認めるHER2陰性の乳がんに対しては、エンハーツは非常に期待のできる選択肢になるのです。

そして、つい先日、エンハーツの製薬メーカーが、国に使用の申請をしています。

1日も早く申請が通ってほしいと思います。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

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