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2023年5月から7月の最新のがん治療法の薬についてご紹介

 2023/08/31 新薬  

こんにちは、加藤隆佑です。

本日は、2023年5月から7月の最新のがん治療法の薬についてご紹介します。

1、エンハーツ

乳がん・胃がん治療で使われたエンハーツですが、新たに非小細胞肺がんにも効果があると認められました。

非小細胞肺がんのうちの約3%の方が、H E R2陽性になると言われており、そのような方には、この薬剤を用いることができます。

2、リトゴビ錠

胆道がん治療の新薬として、リトゴビ錠が登場しました。

この薬は、FGFR1-4という受容体を阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。

以前に、ペマジール錠という薬が承認されており、その薬と兄弟的な位置付けの薬となります。

最近は、インパクトのある新薬が少なく、ご紹介できるものが少ないのですが、R F Aという治療法の領域では、進展がありました。

R F Aとは、「針を刺して、熱を加えてがんを焼く治療」になります。これまでは肝臓がんを中心に、R F Aは行われてきました。

最近になって、いろんながんに対して保険診療で治療ができるようになったのです。

1、腫瘍径1.5センチ以下の単発の乳がんに対してR F Aの治療ができるようになります。

2、昨年からは、以下のような疾患にも、RFAが、できるようになっています。

・肺悪性腫瘍
・悪性骨腫瘍
・類骨骨腫
・骨盤内悪性腫瘍
・四肢、胸腔内及び腹腔内に生じた軟部腫瘍

私も、肝臓にできた腫瘍に対してのR F Aの治療に、たずさわっています。

とても良い治療ですので、いろんな領域にRFAができるようになったのは、とても良いことだと思います。

どこかで、R F Aの治療についての詳しいことを解説できればと思います。

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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