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2022年3月、4月、5月に承認された、がんに関する薬剤をお伝えします

 2022/05/28 新薬  

こんにちは。加藤隆佑です。

少し遅くなってしまいましたが、本日は、2022年3月、4月、5月に承認された、がんに関する薬剤をお伝えします。

・ルマケラス錠

がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性のステージ4や再発の非小細胞肺がんに対して、用いることができました。

KRAS G12C変異陽性のがんは、従来の抗がん剤では効果が出にくいとされています。

したがって、ルマケラスは、有望な薬と言えます。

・リフヌア錠

これは咳に対する、新しいタイプの薬剤です。がんの治療中に咳で悩まされ、従来の薬では効果がないときは、この薬剤を試みる価値はあるかもしれません。

・オプジーボ(尿路上皮がん)

尿路上皮がんの手術後の再発率を低下させる目的で、使用することができるようになりました。

・パージェタ+ハーセプチン(大腸がん)

HER2陽性のステージ4や再発の大腸がんに対して、用いることができるようになりました。

そして、以下の2剤は、近日中に承認される見込みの薬剤です。

・オプジーボ(食道がん)

ステージ4の食道がんにおいて、化学療法との併用、もしくはヤーボイとの併用を前提に、使用できるようになります。

ただ、現段階において、オプジーボと兄弟的な位置づけにある「キートルーダと化学療法の併用」はすでに承認されているので、「オプジーボと化学療法の併用」のインパクトは、あまり大きくありません。

一方で、「オプジーボとヤーボイ」の併用療法は、非常に有望な選択肢になると思われます。2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療になるからです。

・テセントリク(肺がん)

テセントリクもオプジーボと同じく、免疫チェックポイント阻害薬の1つです。

そして、PD-L1陽性の非小細胞肺がんの術後補助療法として使うことができるようになります。

次は、学会の話です。

最近の学会の発表を見てみると、AIを利用した検査に関する発表が、増えてきました。

たとえば

・内視鏡検査で、AI (人工知能)が、がんがないかどうかを拾い上げる

・肝臓に転移した大腸がんのCT画像をAIが評価して、どの抗がん剤がどの程度の確率で、効果が出るかを推測する。

といったことです。

後者に関してですが、CT画像をAIが評価して、「〇〇という薬剤を用いると、97%の確率で、効果が出ない」とか、「94%の確率で、効果が出る」というような分析結果を出すのです。

すごいと思いました。

効果が出ないことが、はじめから分かれば、効果のない薬の副作用で、患者さんを苦しめるということを回避することができるようになるからです。

今後は、AIをいかにうまく活用していくかが、より精度の高い医療につながると思われます。

そして、医師は、知識よりもコミュニケーション能力が、より評価されることになります。

患者さんと、良好な関係を築き、安心してもらえるコミュニケーション

この力が、今後は、さらに求められます。そんなことができる医師が、もっと増えたら良いと感じる今日この頃です。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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