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がんで入院している母親を、どのようにサポートしたらよいですか?

 2021/01/23 心のケア  

こんにちは。加藤隆佑です。

がんになった家族が、入院されたときのサポートには、コツがあります。

今日は、そのことについて解説いたします。

はじめに、このことに関するお悩みを、1つシェアさせてもらえればと思います。

—–

母親が、入院しました。毎日、顔を出しています。

しかし、私は、仕事と子供の世話などで忙しいです。精神的にも、疲れてしまいました。

入院した母親も、がんの治療で大変だと思います。余命宣告もされています。

自分が泣き言は言ってはいけない、がんばらないといけないのは、わかっています。

しかし、自分も精神的に辛いです。どのように支えていったらよろしいでしょうか?

—–

お母様が入院されたとのこと。心中お察しします。病状が好転すればと思います。

さて、入院したお母様のために、どうしていったらよいか、私の考えをお示しします。

がんの治療は、長丁場になります。

そこで、細く長く、お母様を支えるという気持ちで、やっていきましょう。

毎日の生活に笑顔がでるくらいの範囲で、根を詰めすぎないサポートがよいです。

病院に行けない日は、電話で少しお話するだけでもよいです。

病院に顔をだしたときも、あれもこれもと、頑張りすぎなくて大丈夫です。

ほほえんであげる。
お孫さんの顔を見せてあげる。
ただそばに、いるだけ。

それだけでも、お母様の元気の源になります。そして、1人で抱え込まず、いろんな人の力を借りることが、一番重要です。

ただ、他の人の力をかりてという話になったときに、他の問題が、でる方がいらっしゃいます。

他の兄弟は、全く面倒みてくれない。
夫も、全く協力してくれない。
職場が、理解してくれない。

このあたりの問題は非常に難しい問題です。

ただ、1つ言えることは、このような気持ちがでるときは、気持ちが疲れているときであることが多いです。

そんなときこそ、気持ちにエネルギーを注入するようなことを、日常生活に取り入れると良いです。

私も疲れて、診療に気持ちが入らないときは、以下のことを意識しています。

ゆっくりお風呂にはいる
近場の温泉
ラジオ体操
太陽の光を1日10分から15分浴び、週に1回は自然の多いところで深呼吸
好きな音楽を聴く
アロマをたく

最後に、今日のまとめです。

いろいろ書きましたが、以下に尽きます。

頑張りすぎず、悩みを溜め込まず、悩んだら相談する!

力を合わせれば、今のあなたの問題は、乗り越えられます。

<引用>

この記事は、こちらのブログより引用しています。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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