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ヨーグルトといった乳製品を食べると、がんをふやす?その真偽とヨーグルトの代用品を医師が解説

 2021/01/19 がんと食事  

こんにちは。加藤隆佑です。

ヨーグルトといった乳製品を食べると、がんをふやす可能性があるという話を、耳にすることがあります。

医師の視点から、この真偽をお伝えします。

ヨーグルトといった乳製品をとる理由は?

一番の目的は、たんぱく質の補給になります。

そして、牛乳を発酵させて作ったヨーグルトで摂取した方が、牛乳そのもので摂取するよりも、たんぱく質は吸収されやすくなります。

さらに、ヨーグルトの方が、腸内細菌は、整います。

牛乳は悪くはないですが、ヨーグルトの方が、より体に優しいといえます。

乳糖不耐症の方にとっても、ヨーグルトの方がよいです。牛乳ですと、下痢になってしまいます。

また、乳製品は、カルシウムやその他栄養素の素晴らしい補給源にもなります。

ヨーグルトといった乳製品の代わりに、〇〇菌のサプリではダメ?

◯◯菌のサプリメントでも、OKです。腸内細菌を整う補助をしてくれます。

注意点として、その方にあった菌のサプリメントを選ぶ必要が生じることもあります。

1つ例をだしますね。

病院では、いろんな菌を補う薬があります。

  • ラックビー(ビフィズス菌)
  • ミヤBM(宮入菌)

そして、患者さんから、「ラックビーは体調よかったけど、ミヤBMにしたらいまいちだな〜」的なことを言われることがあります。

腸の状態によって、求められる菌が違うのだなと感じました。

そのようなことを考慮すると、善玉菌を適切な形で増やすときには、腸内細菌のえさとなる、食物繊維•オリゴ糖•発酵食品をしっかりとる方が、よいです。

腸内細菌のえさをしっかり与えておけば、体がもっとも欲しがっている腸内細菌が育つことになるのです。

つまり、善玉菌が増えることになります。

また、菌だけの補充では、たんぱく質の補給はできません。もし、たんぱく質の補給も意識したいならば、ヨーグルトといった乳製品の方がよいでしょう。

乳製品をとると、がんは増える?

今日の本題です。

結論ですが、そんなことはありません。

乳製品をとっても、大丈夫です!

その理由を解説しだすと、大変ですので、割愛しますが、結論として大丈夫です。

ただし、飼育環境がよく、牧草を中心に育てられた動物の乳製品にしてください。

この点は、とても重要です。

飼料を中心に育てられたものは、いろんな面で、体に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

動物性たんぱく質を制限している人でも、美味しくたべられるヨーグルトは?

乳製品は大丈夫とわかっても、動物性たんぱく質を制限している方は、ヨーグルトは食べられません。

そのようなときは、豆乳で作ったヨーグルトがよいです。

問題点は、豆乳ヨーグルトは作ってみると、美味しくないことが多いです。

実は、どこのメーカーの豆乳を利用するか?どこの種菌を利用するかで、味がかわります。そして、ベストの組み合わせは以下のものです。

作り方ですが、ヨーグルトメーカーで作るとよいです。

設定は、40度で8時間(夏は7時間)です。種菌を一袋いれますが、半分の量でもOK。

普通のヨーグルトと全く同じ味で、食べることができます。

さて、がんを制御するために、食事内容を工夫することは、大切です。

がんに負けない体を作る秘訣は、こちらで学べます。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

加藤隆佑医師のプロフィールの詳細はこちら

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