HER2陽性であれば、全てのがんでエンハーツを用いることができるように!

こんにちは。がん治療専門医の加藤隆佑です。

HER2という蛋白を発現している乳がんと胃がんにおいては、エンハーツという分子標的薬を用いることができます。

そして、2026年より、HER2という蛋白を発現していれば、どのような癌であっても、エンハーツを用いることができるようになりました。

HER2陽性はどのくらいの頻度で存在するのか?

添付データから、主ながん種におけるHER2異常の頻度を整理すると以下の通りです。

消化器がん

  • 胃がん:約 17.9%
  • 食道がん:約 13.4%
  • 大腸がん:約 5.5〜6%
  • 胆道がん:約 4〜5%
  • 膵がん:約 3%前後

胃・食道は比較的高頻度であり、大腸・胆道でも「無視できない割合」

呼吸器系

  • 非小細胞肺がん:約 2〜4%

頻度は低めですが、見つかれば治療インパクトは大きいです。

その他

  • 膀胱がん:約 9〜12%
  • 唾液腺がん:約 20%以上(特に高い)

婦人科がん

  • 卵巣がん:約 6〜10%
  • 子宮体がん:約 10〜20%(特に漿液性で高い)

乳がん

  • 15〜20%

もし、標準治療が終了した・次の治療がないと言われた場合でも、HER2を含めた遺伝子評価で、新たな選択肢が見つかる可能性があります。

一方で注意点として、乳がんや胃がん以外では、遺伝子パネル検査(組織または血液を用いた解析)で調べないと、保険診療においてエンハーツを用いることができません。

したがって、HER2陽性の頻度が高いがんにおいては、遺伝子パネル検査を受ける意義は高いということになるのでしょう。