オプジーボを投与中に、がんが増大したとしても、がんが縮小することがある!
こんにちは。加藤隆佑です。
オプジーボという免疫チェックポイント阻害薬があります。
がんを制御する上で、とても重要な薬になります。
本日は、オプジーボを投与中に、がんが増大したときの対処法をお伝えします。
オプジーボとは、どういう薬?
オプジーボは、免疫チェックポイント阻害薬という薬に分類されます。
この薬のメカニズムを説明します。
自分の免疫細胞が、がん細胞を異物として認識できなくなることがあります。
この原因の1つが、がん細胞が作り出すPD-L1というたんぱく質にあります。
がん細胞の表面にPD-L1というたんぱく質があると、本来であればがん細胞を攻撃するはずの免疫細胞の働きにブレーキがかけられてしまうのです。
しかし、この薬を用いると、ブレーキのかかった免疫細胞の働きを再活性化させることが、できます。
オプジーボは、このようなメカニズムで、がんを制御します。
オプジーボ投与中に、がんが大きくなったときは、どうする?
オプジーボの効果には、個人差があります。
そして、効果がでない方は、オプジーボを投与しても、がんは、増大します。
一方で、オプジーボを投与して、がんは、大きくなり続けてるように見えても、実は、がんが大きくなっていないことが、あります。
免疫細胞が、がん細胞に浸潤すると、がんが、成長しているように見えることが、あるということです。
また、オプジーボの効果がでてくるまでに、平均して1.6ヶ月、長いと数ヶ月かかることも、あります。
オプジーボの投与中に、本当にがんが大きくなっているのか?そうでないかを、しっかり考えないといけません。
オプジーボが原因で、急速にがんが、増大することもある。
オプジーボの投与が原因で、逆に、急速ながんの増大を認めることが、あります。
がんが大きくなったように、見えているわけではなく、本当に、がんが大きくなってしまうのです。
その場合は、オプジーボをストップしないといけません。
さて、オプジーボを投与した場合に、がんが増大したら、オプジーボが原因で、がんが増大しているのか、がんが一時的に大きくなっているように見えているだけかの、正確な判断は、難しいです。
そのような側面は、あるのですが、オプジーボが原因で、がんが急速に大きくなった場合は、以下のような特徴があると、言われています。
- 治療を受けている方の体力は、非常に少ない。
- 治療中に、好中球やCRPといったような、炎症を示す数値が、急に増える。
- がんが、非常に大きい
とても難しい話になってしまいましたが、オプジーボの使用中に、がんが大きくなったときには、大きくなったように見えるだけのケースも、それ相応にあることは、知って欲しいです。
また、オプジーボの効果がでやすい方は、腸内環境がよい方に多いという報告もあります。
ふだんから、腸内環境を整えるように、しましょう。
そうすれば、免疫力も、あがります。
そして、オプジーボの効果も、でやすくなります。
さて、オプジーボの治療結果が、よりよくなるように、具体的に取り入れて欲しいことは、こちらで学べます。
参考文献:When progressive disease does not mean treatment failure: reconsidering the criteria for progression
参考文献:ニボルマブ治療中に Pseudoprogression を認めた肺腺癌の 1 例