こんにちは。がん治療専門医の加藤隆佑です。
がんと向き合っていると、
「最近、気分が落ち込む」
「何をする気も起きない」
「将来が不安でたまらない」
という気持ちになることがあります。
がんそのものや治療の影響で気持ちが落ち込むことはあります。しかし、それだけが原因とは限りません。

最近、東北大学などの研究で、更年期に入る女性では「死にたい気持ち」が生じやすくなることが報告されています。
更年期では女性ホルモンの変化が脳にも影響し、抑うつや不安が強くなることがあります。これは「気持ちの持ちよう」ではなく、生物学的な変化によるものです。
がん患者さんを診療していても、
「病気が悪くなったから落ち込んでいる」と思っていたら、実は更年期の影響が重なっていたという方は少なくありません。
また、ご家族も更年期の時期であれば、精神的につらくなることがあります。
「最近、以前より気分が沈む」
「理由もなく涙が出る」
「眠れない」
そんな症状がある場合は、がんだけが原因と決めつけず、更年期や他の体調の変化も考えてみることが大切です。
適切な治療や漢方、生活習慣の見直しで改善することも珍しくありません。
心のつらさにも、体と同じように治療法があります。少しでも穏やかな毎日を送るために、ぜひ主治医に相談してくださいね。