「効きにくい」と言われたがんに、新しい道ができました

こんにちは。がん治療専門医の加藤隆佑です。

今回は「新しく使えるようになった抗がん剤」を、できるだけ分かりやすくまとめてお伝えします。

専門的な内容も含まれますが、「どんな方に、どんな可能性が広がるのか」という視点で読んでいただければと思います。

1、卵巣がん(明細胞がん):遺伝子変異に対応した新薬
ハイツエキシン

「卵巣明細胞がん」というタイプは、従来の抗がん剤が効きにくく、治療に苦慮するケースがありました。

今回の薬は、PIK3CAという遺伝子変異を持つがんに対して働きます。

ポイント
・遺伝子変異をターゲットにした治療
・再発後・ステージ4の新しい選択肢

遺伝子パネル検査でPIK3CAという遺伝子変異を持っていることを確認する必要が
あります。

2、唾液腺がん:ホルモンに関係するタイプへの治療薬
ニュベクオ

唾液腺がんの中には、ホルモン(男性ホルモン)に影響を受けるタイプがあります。9割以上がそのようながんとされています。

これまでは抗がん剤治療しか選択肢がなかったのですが、ホルモン療法も使えるようになりました。

ポイント
・ホルモンを利用するがんに効果
・注射薬(ゴセレリン)と併用

3、肛門管がん:免疫の力を使った新しい治療
ジニイズ

免疫の力を使ってがんを攻撃する「免疫療法」の新しい薬です。

抗がん剤(パクリタキセル+カルボプラチン)と一緒に使うことで、治療効果を高めることが期待されています。

ポイント
・免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)
・進行・再発の肛門管がんに対応

新しい薬が出るたびに感じるのは、「がん治療は確実に前に進んでいる」ということです。

一方で、これらの薬がすべての方に必要なわけではありません。がんのタイプ、遺伝子、これまでの治療歴によって適応は変わります。

ただ、「もう選択肢がない」と思っていた状況に「もう一つの可能性」が生まれることは、とても大きな意味を持ちます。