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2023年9月から10月にかけての注目すべき新たながん関連の薬剤のご紹介

新薬  

こんにちは。加藤隆佑です。

今日は、最近話題の新薬についてお話しします。

2023年9月から10月にかけて、注目すべき新たに使えるようになった薬剤は1つです。

肺以外にできた悪性中皮腫にも、オプジーボという免疫療法の薬を使えるようになったのです。

悪性中皮腫の8割は肺にできるのですが、残りの2割は、お腹か心臓にできます。そのような方にとっては、希望の光となります。

今回は、この一剤となります。

(インパクトが少ない薬剤のご紹介は割愛しております)

話題が変わり、次に、遺伝子パネル検査を受ける価値があるかについてです。

先日も、以下のような内容をご質問をいただきました。

・・・・・

遺伝子パネル検査を受けたことによって、新たな治療を実際に受けることに至るのは、数パーセントしかないと聞いています。

そんなに低くても、受けた方が良いのでしょうか?

・・・・・・

それに対する私の考えを述べます。

実際に新しい治療法につながる例は全体の数パーセントに過ぎないのは事実です。

ただ、体力があり、体調が安定している方は受ける価値は十分にあります。

その方にとっては、数パーセントではなく、見つかるか見つからないかの、どちらかです。

そして、私は、この検査によって新しい治療の可能性が開けた方を見てきたからです。

先日も、乳がんの患者さんが遺伝子パネル検査を受けた結果、保険診療の中で新たな薬剤を使えることが判明した方もいらっしゃいました。

ただ、1つ注意点があります。

保険診療で承認された薬ではな薬剤を、使えることが判明することもあります。

つまり、新薬の治験に参加することで新たな治療の機会を得る方もいるということです。

その場合は、頻回の通院や検査を伴う上に、新薬の治験となると、主に東京で行われるために、地方からの参加は特に大変です。

通院頻度が週に数回というケースもあります。

その結果、北海道から東京に一時的に引越しして、治験を受けた方もいました。

地方でも、治験が受けられるような環境ができると良いですね。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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