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乳がんのRFA治療について医師が解説

 2024/10/28 乳がん  

こんにちは。がん治療専門医師の加藤隆佑です。

今回は、乳がんの新しい治療法であるRFA(ラジオ波焼灼療法)について、わかりやすく解説いたします。

RFAとは

RFAは、「Radio Frequency Ablation」の略で、日本語では「ラジオ波焼灼療法」と呼ばれます。この治療法は、がんを切除せずに治療する新しい方法です。

乳がんのRFAの特徴

従来の手術とは異なり、乳房を切除しません。

そして、局所麻酔で治療可能です。短時間の治療( 通常30分〜60以内)で終了します。

さらに、乳房の形を保つことができます。

あるアンケートでは9割以上の人が、コスメという面において満足という結果でした。

そして、入院期間が短いので社会復帰までの時間が非常に短いです。

治療の流れ

超音波でがんの部分を描出します。そして、局所麻酔をした上で、細い針でがんに刺します。その針を通じて熱を加えて、がんの部分を焼却します。

RFAの適応は?

腫瘍の大きさが1.5cm以下の早期乳がんの方です。

さらに、そのがんが、皮膚に近すぎないという条件も必要となります。

また、以下のような条件の場合は、RFAによって、がん細胞を焼却することは可能ですが、同じく、現状ではRFAの適応にはなっていません

・抗がん剤で乳がんが小さくなった結果、1.5cmになった場合

・2cmの乳がん

なぜならば、長期的な期間における治療成績(再発率、生存率)がはっきりしていないためです。

もし、長期的な期間における治療成績がはっきりしたら、「抗がん剤で乳がんが小さくなった結果、1.5cmになった場合」「2cmの乳がん」に対するRFAも行われることになると思われます。

注意点

すべての乳がん患者さんに適用できるわけではありません。治療後も定期的な検査が必要です。

そして、RFAによってがんを焼却しても、再発のリスクはあります。

その再発リスクを減らすために、治療をした側の乳房に対して放射線治療を行うことが多いです。

そうすることで、残っているかもしれない小さな腫瘍細胞を消し、再発を防ぐ効果が期待できます。

ただし、放射線治療をしない場合でも必ず再発するわけではありません。

最後に

RFAは2023年12月から保険適用となった新しい治療法です。ただし、この治療を行える医療機関は限られています。適応があるかどうかは、主治医とよく相談してください。

乳がんのRFAを行っている病院の一覧はこちらです。

ちなみに、RFAというのは、IVRという治療法に分類されます。

IVRはインターベンショナルラジオロジー治療の略称であり、画像を使って体内の病変に直接アプローチする治療法です。

通常の手術とは異なり、体に大きな切開を加えることなく、X線、超音波、CTなどの画像を利用しながら、針やカテーテルといった細い医療器具を使って体内の病変へアクセスします。

IVR治療に力を入れている施設はこちらからわかります。

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

加藤隆佑医師のプロフィールの詳細はこちら

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