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がんの悪液質の治療薬であるエドルミズについて医師が解説

 2021/04/28 緩和ケア関連コラム  

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療を専門に総合病院で勤務しています。

2021年4月より、がんの悪液質に対する治療薬として、エドルミズという薬剤を用いることができるようになりました。

これは、とても大きなニュースになります。

そこで、がんの悪液質とは何か?、そしてエドルミズの効果について解説します。

がんの悪液質について

がん悪液質とは 、がんの進行に伴い,体重減少,低栄養,消耗状態が徐々に進行していくことを指します。

以下の表で、点数が低いほど、悪液質の可能性が高くなります。

悪液質が疑われるときには、薬物、運動、栄養、心理療法などを併用した介入が求められます。

エドルミズという薬物の治療効果は?

がん悪液質に対して、エドルミズという薬剤をもちいることができます。

エドルミズにより視床下部を刺激して、食欲をアップさせます。さらに、脳下垂体を刺激して成長ホルモンを分泌させて、その結果、インスリン様成長因子−1にもつなが理、筋肉量や体重を増加させます。

データによると、効果は約6割の人にでます。

効果というのは、食欲がアップしたり、体重がアップすることを指します。

3週間で効果判定をして、3週で効果が出ていなければ、この薬剤をストップします。

飲み方ですが、空腹時に1日1回内服します。このお薬を飲んだ後は、1時間くらい空腹の状態にしておかないといけません。

注意点は、全てのがんの悪液質に用いることができるわけではありません。

現段階では、胃がん、膵臓がん、大腸がん、肺がんによる悪液質だけです。

エドルミズ以外にも、効果のある治療法は?

漢方も、がんの悪液質に対して効果があります。

例えば、六君子湯と茯苓飲合半夏厚朴湯を併用した治療をすると、悪液質が改善することは珍しくありません。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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