卵巣がんの再発でも楽に余命を伸ばす!末期からでも回復する治療を医師が解説
こんにちは。加藤隆佑です。がん治療を専門に、札幌市内の総合病院で勤務しています。
再発の卵巣がんと診断され、長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。
油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方は、いらっしゃいます。
たとえ、抗がん剤治療ができないような、末期の状態であっても、よりよい状態にもっていくことは、できます。余命宣告をされていたとしても、余命をさらに伸ばすことは、できるのです。
また、あなたが、副作用で苦しんでいるならば、もっと楽に治療を受けることも、できるようになります。
希望を持ちつつ、治療を受けていきましょう。
そして、再発した卵巣がんを克服する確率を、跳ね上げていきましょう。
そこで、私の20年間のがん治療の経験を踏まえて、卵巣がんをさらに小さくするために、すべきことを、書いていきます。
Contents
- 卵巣がんが再発する理由とは?
- 再発した卵巣がんに対して、手術による治療は意味がないのか?
- 再発の卵巣がんにおいて、抗がん剤治療は、どのくらい効果がある?
- 抗がん剤治療の効果を、どのように確認する?
- 今後の新規の卵巣がんの治療薬とは?
- 腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?
- 卵巣がんの5年生存率を、もっと、高くできる。
- 再発した卵巣がんは余命を数える段階?
- 抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。
- 私、加藤隆佑が、このような治療法を取り入れたきっかけとは?
- 免疫療法は、効果があるのか?
- 抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。
- 再発した部位に合わせた特殊な治療法と症状
- 卵巣がんによる痛みは、もっと、とる事ができる。
- 再発した卵巣がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?
卵巣がんが再発する理由とは?
理由としては2つ考えられます。
1、手術の際に行われた検査では、小さすぎて分からなかった癌細胞が、時間とともに大きくなり、検査で分かるようになったという理由
2、手術で取りきれなかった卵巣がんに対して、抗がん剤治療を行なっても、がん細胞を、完全に死滅させることができなかったという理由
再発した卵巣がんに対して、手術による治療は意味がないのか?
卵巣がんが再発した場合には、抗がん剤治療を行うことが一般的です。
しかし、最近になり、手術をしたのちに抗がん剤治療を行なった方が、よりよい治療成績になるというデータがでています。
再発の卵巣がんにおいて、抗がん剤治療は、どのくらい効果がある?
卵巣がんが寛解したのちに、再発するまでの期間がどのくらいかによって、治療方針は異なります。
寛解状態になって、半年以上してからの卵巣がんの再発の治療
半年以上してからの再発の場合は、初回に用いた抗がん剤であるカルボプラチンを併用する化学療法になります。
例えば、「カルボプラチン+ドセタキセル(タキソテール、ワンタキソテール)」「カルボプラチン+ドキシル」といった治療です。
アバスチンという分子標的薬を併用することもあります。
かなりの治療効果が、望めます。
再び寛解状態にもってこれるケースも、それなりの頻度であります。
さて、卵巣がんの再発後に、先ほどの治療により、かなり小さくできたとします。
そのような場合は、小さくなっている状態を維持するために、リムパーザ(オラパリブ)という飲み薬が、2018年から用いることができるようになりました。
リムパーサを用いると、約11%の方には、非常に強い効果がでると言われています。年単位で、卵巣がんの増殖を制御してくれるのです。
最近は、リムパーザと似たようなお薬で、ゼジューラカプセルというのも、使えるようになっています。
一方で、リムパーザの治療中に、再び卵巣がんが大きくなることがあります。
そのような場合は、再発した時と同じような治療になるのですが、「カルボプラチン+ドセタキセル」「カルボプラチン+ドキシル」といったような治療を検討します。
また、「カルボプラチン+ドセタキセル」「カルボプラチン+ドキシル」による治療で、効果が出ない場合は、「寛解状態になってから、半年以内に再発した場合」に準じた治療に移行することになります。
寛解状態になって、半年以内の再発の治療
半年以内に再発した場合は、カルボプラチンといった白金系に分類される薬を、用いない治療になります。以下のどれかが、用いられます。
- ドセタキセル(別称はタキソテール、ワンタキソテール)
- エトポシド(ラステット、ペプシド)内服
- ゲムシタビン(ジェムザール)
- リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル)
- パクリタキセル(タキソール)
- トポテカン(ノギテカン、ハイカムチン)もしくはイリノテカン
「半年以内の再発ならば、カルボプラチンといった白金系に分類される薬を用いない」と記載しましたが、例外になりますが、以下のような形で、白金系の薬を用いることも、あります。
- ゲムシタビン+カルボプラチン+アバスチン
- パクリタキセル+カルボプラチン+アバスチン
半年以内の再発でも、カルボプラチンといった白金系がよく効くことが、あるからです。
そうはいっても、これらの抗がん剤により、劇的にがんが小さくなる見込みは高いわけではありません。
治療に手詰まり感を感じます。
そのような段階では、標準的な治療法以外の治療も、検討すべきです。
遺伝子検査をして、何らかの分子標的薬を用いられないかを調べても良いでしょう。治験を受けることも、治療の選択肢の1つにあがります。
ちなみに、「パクリタキセル+カルボプラチン」と言ったような白金系の抗がん剤を用いる場合は、ある程度の体力がないと、受けることができない治療です。
副作用に耐えられる体力を維持することが、非常に重要ともいえます。
副作用に耐えられる体力がない方は、無理をしてまで、抗がん剤治療を受けるべきとも言えます。逆に、寿命を短くすることに、なりかねないからです。
また、抗がん剤治療に手詰まり感がでれば、こちらの治療法も、検討することになります。
抗がん剤治療の効果を、どのように確認する?
2ヶ月間ほど、治療を行った上で、抗がん剤の治療効果を確認します。
CTや、腫瘍マーカーの数値で、がんの増殖が抑えられていれば、抗がん剤の効果はあると判定されます。
がんの勢いが強く、切羽詰まった状態の時もあります。その場合は、2ヶ月よりもっと短い期間で、抗がん剤の効果判定をします。
適切なタイミングで、抗がん剤の効果の判定をすることが大切なのです。
適切なタイミングで、やってもらえるかは、医師の腕による部分も、多いところです。
「もっと早い段階で抗がん剤の効果判定を行い、別の抗がん剤を変更しておけば、もっと長く元気に過ごすことができたかもしれない。」ということも、あるということです。
そして、一部の人は、劇的に効いて、完治を目指すことができるくらいに、なることがあります。
だからこそ、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。
今後の新規の卵巣がんの治療薬とは?
免疫チェック阻害薬(オプジーボ)などが、候補になっています。また、rucaparib、niraparibという薬も候補になっています。
腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?
抗がん剤の治療中における、定期検査で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。そのくらいならば、不安に思う必要はありません。
しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。
たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、卵巣がんが増殖してきている兆候です。
治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと言えます。
卵巣がんの5年生存率を、もっと、高くできる。
出典:がん登録・統計
上記のデータは、2006年から2008年の間に、卵巣がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。
つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。
以前に比べれば、卵巣がんの治療効果は、高っているのです。
ちなみに、再発の場合の5年生存率は、ステージ4の卵巣がんと、ほぼ同じとなります。
再発した卵巣がんは余命を数える段階?
再発した卵巣がんであっても、数年にわたって、元気にされている人はいます。中には、完治に持ってこれるケースもあります。
一方で、全身に転移して食事もほとんど食べられない状態の再発ですと、数週間しか生きられない人もいます。
結果として、卵巣がん再発の5年生存率は28.3パーセントとなります。
そして、工夫をすることにより、さらに、生存期間を伸ばせることは、様々な医学データから判明しています。
再発していても治ることがあるということを示すために、卵巣がんよりも、難治性のがんであるステージ4の膵臓がんを例にだして、お話しします。
肝臓に転移があり、ステージ4の診断。
抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。
しかし、膵癌のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。
手術で、お腹の中を見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。
最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。
さて、このような、良い治療結果にしていくためには、病院の治療だけを受けていれば良いわけではありません。
いろんな工夫を、取り入れていく必要があります。
抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。
抗がん剤治療や放射線治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。
例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。
よりよい治療結果につながるというデータは、複数あります。
保険診療で、ハイパーサーミアを受けることができるケースが多いです。
以下のような機械で、病巣を加熱します。
また、東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。
たとえば、漢方薬の内服は、東洋医学における代表的な治療法です。
エキス顆粒の漢方や、タブレット状の漢方であれば、水と一緒に飲むだけです。
煎じる漢方の場合は、以下のような漢方を、ヤカンなどで煮出して、煮出した液体だけを飲みます。
購入に関してですが、保険診療の中で処方してもらえる、漢方もあれば、保険の効かない漢方もあります。
保険の効かないような、特殊な漢方は、漢方薬局で購入することになります。
一方で、漢方やハイパーサミアは、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、これらの治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。
私も、以前は、そのように感じていました。
しかし、効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つと確信しました。
たとえば、以下のような事例があります。
再発した子宮頸がんに対して、抗がん剤と放射線治療を行うものの、がんは、増大してしまう。
そこで、2種類の漢方を追加する。
その結果、腫瘍マーカーは下がり、がんも、縮小する。
今回は、子宮がんの事例ですが、卵巣がんに対しても同じことが言えます。
幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。
大切なところなので、もう一度、書きます。
病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。その治療法を軸にしつつ、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった枝葉をつけると、もっとよいです。
副作用を減らすことにも、つながります。
あなたの今の治療に、簡単に取り入れられる漢方に関しても、こちらで学ぶことができます。
私、加藤隆佑が、このような治療法を取り入れたきっかけとは?
私は、医師として、20年のキャリアがあります。
西洋医学のトレーニングを徹底的に受けました。
しかし、専門医をとり、ある程度のことができるようになった頃より、がんの治療に、大きな疑問を感じるようになりました。
治療の結果、副作用に悩まされる人が大勢いる。ベストの治療をしても、患者さんは、必ずしも幸せになってくれない。
さらに、患者さんだけでなく、家族もとても辛い思いをしている方が多い。
病院では治療だけで、心のケアをしてくれる人がいない。
このような思いに、悩まされるように、なったのです。そこで、いろんな治療法を勉強しました。
患者さんや、そのご家族の不安を取り除くための、カウンセリングのトレーニングを受けました。
また、いろんな治療法を学ぶ過程で、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアは効果があり、再現性のある治療法であることを、知ることができました。
このような経緯があり、現在は、西洋医学に、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアを組み込んだ治療を、提案しています。
たとえ、ステージ4のがんであったとしても、完治にもっていく確率をあげることができます。
私の情報発信は、一人でも多くの方に、このことを伝えるための、挑戦でもあります。
そして、がんになっても、毎日の生活に楽しみを持ちながら、生活を送って欲しいと思います。
免疫療法は、効果があるのか?
免疫療法には、2種類あります。1つ目は、保険診療で認可されている免疫チェックポイント阻害薬のことです。例えば、オプジーボといった薬剤です。
そして、ここでお話しするのは、自由診療で用いられる免疫療法です。リンパ球や樹状細胞といった免疫に寄与する細胞を、あなたの体のなかに、注入する治療のことです。
「データが乏しく、値段も高く、効果もほとんどない」と主張される医師は、多いです。
しかし、本当なのでしょうか?
ここでは、詳細は割愛しますが、結論から言うと、「抗がん剤と併用することによって、がんを非常に縮小させることのできること」は、頻度は低いながら、あります。
そうである以上、一部の方には、有効な治療法であると考えるのが妥当です。
ただし、効果が実感できるのは1割くらいなので、コストパフォーマンスはよくありません。
抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。
抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。
抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。
特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。
その他、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。
こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。
副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療を中断します。
副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあります。
そのようなことは、寿命が短くなることにも、つながります。
あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。そして、副作用対策をしてもらいましょう。
幸いにも、最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。
抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。
例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く吐き気止めが、使えるようになったからです。
以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるようになってきています。
そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けている方がるのも、事実です。
その原因として、以下の理由があげられます。
- 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
- 主治医が、副作用対策を、熟知していない。
本来であれば悩まなくてもよい副作用に、悩まされることが、あるのです。
普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。しっかりコミュニケーションをとっても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。
私の外来にも、そのような悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。
副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が、投与されていることがあるということです。
もう少し具体的にお伝えします。
抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。
しかし、体重が減ったにも関わらず、従来の体重で計算された量の抗がん剤が、投与されることがあるのです。
それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。
体重の1キロ程度の減少は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の減少のときは、主治医に伝えるべきです。
抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。
エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。
データの数は少ないのですが、その効果を実感して、診療に利用している病院は、複数あります。
私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。
ちなみに、私の著書のにも、エレンタールの効果のことを、書いています。
諦めないで、いろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法があるものです。
ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかりリサーチします。
そして、再現性の高い効果があるものは、ブログなどで、書いています。
標準的な治療だけが、治療でないことは、知っておいて欲しいです。
参考文献:消化器癌化学療法における口内炎に対するエレンタールの有用性
抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。
抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。
最近になって、非常に効果のある吐き気止めの薬がでたからです。
しかし、その薬を主治医が適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。
そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐと、よいでしょう。
また、あなたが、吐き気で辛い事を、主治医に伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。
そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。
確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。
あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。吐き気や嘔吐は、体力を低下させるので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、多くの場合が、解決できます。
副作用を減らして、もっと楽に治療を受ける方法は、こちらです。
抗がん剤によるしびれは、もっと楽にできます。
卵巣がんで、よく用いられる抗がん剤の1つであるパクリタキセル、ドセタキセル、カルボプラチンです。これらの薬剤で、特に注意しないといけない副作用があります。
それは、しびれです。専門用語では、末梢神経障害と呼ばれます。
後遺症としてしびれが残り、自分で歩く事が困難になったり、ボタンを自分でつけれなくなることもあります。
しびれに関しては、適切な対処が必要です。
しびれがでたときには、主治医に報告して、適切な対処をしてもらいましょう。
しびれは、標準療法で用いられる方法では、十分に改善しないこともあります。そのような場合であっても、しびれを改善させる方法は、あります。
たとえば、漢方は非常に有効です。
また、しびれが、なるべく、出現しないようにする予防法もあります。
パクリタキセル、ドセタキセルの副作用による筋肉痛
パクリタキセルやどせたキセルによる筋肉痛で、悩まれる人は、います。
ノイトロピンというお薬で、症状を改善させることができるので、試みるべき価値のある方法でしょう。
代替療法的な手法を取り入れることにより、副作用を緩和させることも、できます。
再発した部位に合わせた特殊な治療法と症状
肝臓に再発している場合の治療法と症状
肝臓に再発している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。
もし、肝転移の数が少数であり、肝臓以外にがんが存在せず、さらに、肝転移の状態が長期間にわたって落ち着いているときは、以下の治療法が検討されることもあります。
- 放射線治療
- 手術
次に症状に関してですが、「転移したがんが、肝臓の大半を、占拠した段階」に至ってから、肝転移による症状が、でることが多いです。
例えば、黄疸といった症状です。
ちなみに、採血で肝機能障害が出現した時に、「肝臓の転移が、悪化したのであろう」と心配される方が多いですが、そうではありません。
大半のケースは、抗がん剤などによる肝機能障害か、「転移したがんが、胆管という胆汁の流れ道を塞ぐこと」が、原因となっています。
リンパ節に再発したときの治療法と、症状
再発したがんにより、リンパ節が腫大している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。
もし、リンパ節への再発が、一部分だけにとどまるときは、放射線治療を検討することもあります。
次に症状に関してですが、大きく腫れたリンパ節が、神経に触れれば、痛みがでます。
腫大したリンパ節が、臓器を圧排すれば、それに伴う症状が出ます。例えば、再発して腫大したリンパ節が、胆汁の流れ道を、押しつぶせば、黄疸が出現するといった感じです。
どの部位のリンパ節に再発して、さらにそのリンパ節がどの程度、腫れるかによって、症状は異なります。
腹膜播種の治療法と、症状
お腹の中に、腹膜という部位があります。そこに、種がまかれるように、バラバラと、がんが広がることを腹膜播種(ふくまくはしゅ)と呼びます。抗がん剤治療が中心となります。
さて、抗がん剤で制御がうまくいかない腹膜播種を制御するための、特殊な治療法があります。
お腹の中に、直接抗がん剤を投与するという方法です。腹腔内化学療法と呼ばれます。腹腔内のがん細胞を制御するのに、有効な治療法です。
それによって、腹膜播種が綺麗に、消失するケースは、珍しくありません。
問題点として、この治療法が広く普及はしておらず、一部の施設でしか行われていないことです。
腹膜播種が進むと、腹膜というお腹の膜に炎症がおこり、腹水がたまります。それがひどくなると、お腹がパンパンになったり、手足がむくみます。
卵巣がんにより腹水多量になり、お腹がパンパンになったときの治療法
腹水でお腹が張って辛いという症状をとるために、小さな針をお腹にさして、腹水を抜くことがあります。
腹水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうことが、注意点としてあげられます。
そのことを避けるために、抜いた腹水を「ろ過+濃縮」して、腹水の中の栄養分だけを体内に戻す、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。
卵巣がんによる痛みは、もっと、とる事ができる。
卵巣がんの治療を受けるときに、最も大切なことは、症状をとることです。
痛みがあるときは、痛み止めを飲む事になります。なかなかとれない痛みであるならば、モルヒネといった医療用麻薬を用いることに、なります。
痛みをとることを中途半端にして、治療を受けるべきでは、ありません。
痛みがある結果、食事量が減ったり、睡眠不足になって、体力が落ちるからです。体力が落ちると、病院の治療に耐えられなくなる事も、珍しくありません。
症状をとること、そして、体調を整えることを、第一目標にしましょう。その上で、病院の治療を受けましょう。
卵巣がんの治療では、その部分が、肝要になります。
再発した卵巣がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?
「再発=末期がん」と、思われがちですが、再発した卵巣がんでも、完治される方は、います。
私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。
また、再発にも、いろんな状況が想定されます。
肝臓に再発が1つだけある方
肺や肝臓に無数の再発のある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方
上記の通り、再発といっても、いろんな段階があるのです。
再発であっても、寛解にもってこれることは、あります。
さて、ここでは、効果の期待できる抗がん剤治療を、提案することができない段階の対応について、詳しくお伝えします。
このような段階は、病気に伴う心と体の痛みを和らげる治療、つまり緩和医療が中心となります。
- 痛みがあるときは、痛み止めの薬の量を調節する。
- 精神的に落ち込んでいるときは、カウンセリングを受けたり、抗うつ薬の量を調節する。
上記のような治療のことを指します。
もちろん、がんと診断された時期から、上記のことは、同時並行でおこなっています。「効果の期待できる抗がん剤治療が提案できない段階」は、そのことを、より強化していくとういことです。
この段階における治療は、決まったやり方があるようで、ありません。かなり、医師の力量が問われるところなのです。
そして、緩和医療をうけていただくことも、より長く生きていくことにつながることは、証明されています。
抗がん剤、手術、放射線治療だけが、より長く生きていくための治療ではないことを忘れてはいけません。抗がん剤、手術、放射線治療を受けなくても、体調を整えることを心がけるだけでも、より長く生きられます。
そのために、漢方や薬膳的な食事といった東洋医学も、取り入れるべき価値のあることです。
そして、毎日の生活に、楽しみを持ちながら、生活できるようにしましょう。
最後に、まとめとなりますが、子宮頸がんと戦うためには、以下の点に注意が必要です。
- 抗がん剤治療、放射線治療、手術をバランスよく用いる
- 病院での治療で、体力を消耗しないようにすること
- 適切な漢方
- 適切な食事内容
その結果、卵巣がんによる症状を、楽にできます。
卵巣がんを、もっと小さくしていくことも、できます。
余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。そして、卵巣がんに負けない体を作っていきましょう。
そのために、知っておくことがあります。
参考文献
がん情報サービス卵巣がん治療 https://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/treatment.html
がん情報サービス卵巣がん検査 https://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/treatment.html
がん研有明病院 卵巣がん https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/ovary.html
東邦大学医療センター大森病院 卵巣がんについて
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/gyne_oncology/patient/explanation/ovary_cancer.html
参考:『卵巣がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ』国立がん研究センターがん報サービス
参考:current status of clinical evidence for electromagnetic hyperthermia on prospective trials