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アブラキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)によるしびれ(末梢神経障害)を、予防する方法とは?

こんにちは。加藤隆佑です。

あなたが、アブラキサン(パクリタキセル、ドセタキセルで)によて、発生するしびれという副作用を、不安に思うことがあるかもしれません。

実は、しびれは、完全にとは言えませんが、それなりに、予防することができます。

方法を、ご紹介しますね。

アブラキサン(パクリタキセル、ドセタキセルでも可)の投与15分前より、そして投与後8時間の間、以下の2つを、つけます。

・弾性スリーブ

用いるものとして、15mmHgから20mmHgの弱圧タイプで、薄手の生地で、むれにくいものが、良いです。

例)

・加圧ストッキング

用いるものとして、15mmHgから20mmHgくらいの弱圧タイプが、良いです。

例)女性


例)男性

アブラキサン、パクリタキセル、ドセタキセルの副作用である、しびれを、予防することは、できるのです。

締め付けられることにより、手足に行く血流、つまり、抗がん剤が減って、しびれも軽減するのです。

ただし、1つ問題点があります。

点滴をするのが腕の場合は、そこに弾性スリーブをすることができないことです。

そのような場合は、テーピングをして、手の先に行く血流を減らすという形で対処すると良いかもしれません。

少しきつめのテーピングをしてみましょう。

テーピングの代用として、少しきつめのゴム手袋でもかまいません。

少しきつめのゴム手袋に関してですが、たとえば、ふだん、Mサイズの使い捨てのゴム手袋がちょうどよいならば、その一つ下のサイズであるSサイズの手袋を2重でつけるという感じです。

手足の冷却をするという方法を加えることも、有効です。

これらの方法に、しびれの改善に役立つ漢方をたすことも、試みる価値が高いことになります。

そして、抗がん剤の副作用である、しびれを、防いでいきましょう。

万が一、しびれが生じ、しびれの程度が横ばいではなく、右肩上がりに悪化する兆候が少しでもあれば、抗がん剤の減量やお休みをしてもらわないといけません。

しびれに対して注意することは、こちらでも、書いています。

 

 

 

 

 

 

参考文献:efectofCooledFeetandHandsto PreventNab-paclitaxel-inducedNeuropathy

参考文献:Management of peripheral neuropathy induced by nab-paclitaxel treatment for breast cancer

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

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