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2021年の11月に承認された、がんに関連するインパクトのある薬剤をご紹介いたします。

 2021/12/02 新薬  

こんにちは。加藤隆佑です。

2021年11月に承認された、薬剤をご紹介いたします。

今回は、大きなインパクトのある薬が承認されています。

1,キイトルーダ

ステージ4、もしくは再発の食道がんの、1次治療で用いることができるようになりました。

ただし、キートルーダに、5FUとシスプラチンを併用することになります。

PD―L1が陰性であっても、用いることができます。

ちなみに、現在は、PD―L1が陽性の方に限っては、キートルーダを使うことができます。

2, オプジーボ

食道がんの再発率をさげるために、手術もしくは放射線化学療法後に1年間オプジーボを投与することができるようになります。

そうすることにより、再発率をさげることができます。

さらに、ステージ4、もしくは再発の胃がんの1次治療に対しても、オプジーボを用いることができるようになりました。

その場合は、オキサリプラチンとエスワンとの併用になります。

ちなみに、胃がんの3次治療では、単剤でオプジーボを投与することは、すでに承認されています。

3、HER2陽性の進行・再発唾液腺がんに対して、ハーセプチンとドセタキセルの併用療法

まだ承認はされていませんが、12月には子宮体がんに対して「キートルーダ+レンビマ」が承認される可能性が高そうです。

これも、非常にインパクトのある薬剤となります。

承認されたら、ご連絡いたしますね。

ところで、南アフリカでオミクロンというコロナの変異株が検出されました。

このウイルスが、どの程度の感染力があるのか?現行のワクチンの効果が期待できるかなど、わからないところがたくさんありますが、大きな害を与えない変異株であることを祈るばかりです。

 

注意事項

ご紹介した薬が実際に使えるまでは、タイムラグがあります。

部会審議での承認、もしくは、製造販売承認された薬剤薬剤を紹介していることになります。

https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0014.htmlより画像を引用

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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