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2021年の7月と8月に承認されたがんに関連する薬剤を紹介

 2021/09/04 新薬  

こんにちは。加藤隆佑です。

本日は2021年の7月と8月に承認されたがんに関連する薬剤をご紹介します

1、PDL1陽性のトリプルネガティブ乳がんに対して、キートルーダの承認

以下の組み合わせで用いることができるようになります。

キートルーダ+ジェムザール+カルボプラチン
キートルーダ+アブラキサン

治療の選択肢として、かなり幅が広がることになります。

2、レットヴィモカプセル

RET融合遺伝子陽性のステージ4もしくは再発の肺がんに対しても用いることができるようになります。

RET融合遺伝子陽性の患者数は約4390人と推測されています

3、 マイクロサテライト不安定性のある大腸がんに対して、1次治療からキートルーダを用いることができるようになります。

ちなみに、これまでは、2次治療以降に、用いることができました。それが、1次治療から、使えるようになるということです。

なお、医薬品は製造販売承認を受けても、実際に使えるようなるまで、数ヶ月のタイムラグがあります。

さて、それ以外のトピックスです。

1、オンコタイプDXがようやく承認

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性、リンパ節転移陰性およびリンパ節転移が3個までの、早期の浸潤性乳癌患者における化学療法の要否の決定に役立ちます。

早ければ12月から使用できると言われています。

2、 アブラキサンという抗がん剤の供給が、10月以降に一時的に供給停止になる見込みとなってしまいました。

現在流通している商品には問題ないのですが、製造工程に問題がある可能性があるかもしれないことが判明したからです。

アブラキサンの代用として、パクリタキセルが用いられると思われます。

最近、薬剤の製造の不備の問題が非常にたくさんでています。

後発品の品質管理の問題も、たくさんでています。薬剤の品質管理をしっかりしないと人の命を奪うことになりかねません。1日も早くそのような問題が
解決されればと思います。

3、 既存の薬剤で、コロナに効く薬が何個か判明しています。

・気管支喘息に用いられる吸入ブデソニド

吸入ブデソニドの上乗せ治療により、コロナの高リスク例において、回復までの間が3日短縮され、入院または死亡も2%ポイント減少する可能性が示されました。

・イベルメクチン

この薬剤に関しては、WHOやCDCが認めないという見解を示しています。

しかし、その見解は、単なる意見です。事実ではありません。

事実、つまりデータをしっかり見つめる必要があります。

しっかりしたデータでは、86%の予防効果があり72%の早期治療効果があるとされています。

この点について、もう少し解説いたします。

インターネットには、いろんな意見がでています。権威のある方の意見が与える影響力は多大なものです。

WHOやCDCも、非常に権威のある機関です。

しかし、大事なのは、事実です。そして、事実に基づいた意見です

権威のあるかたの見解は、必ずしも正しいわけではありません。

さらに、インターネットにおいては、事実を元にした意見が少ないので、気をつけないといけません。

ちなみに、イベルメクチン以外にも、コロナの予防や治療に役立つ薬はあります。

そのような薬剤が、もっと増えれば良いですね。

 

注意事項

ご紹介した薬が実際に使えるまでは、タイムラグがあります。

部会審議での承認、もしくは、製造販売承認された薬剤薬剤を紹介していることになります。

https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0014.htmlより画像を引用

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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