こんにちは。工藤準也です。札幌近郊の総合病院で、消化器内科を中心とした診療をしています。
札幌は、いまだに肌寒い日がありますが、もう少しでお花見シーズンになります。
毎年、4月下旬頃が開花になるのですが、楽しみです。
早速、本日の本題に入らせてもらいます。
本日は3月末に新規に承認されたがんに関連する薬剤でインパクトの強いものを解説します。
1、レンビマカプセル4mg
この薬剤は肝臓がんに用いられていました。
そして、今後は、切除不能なステージの胸腺がんにも、用いることができるようになります。
つまり、切除不能な胸腺がんに対しては、プラチナ製剤を含む抗がん剤で治療をして、そのあとの確率した治療は、これまでありませんでしたが、今後はレンビマを用いることになるのでしょう。
2、ペマジール錠4.5mg
がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんに用いることができます。
さて、薬剤とは関係ないのですが、1つ大きなニュースがあります。
標準的な治療をやり尽くしてしまった患者さん、小児がん、希少がんの患者さんの場合には、がんの遺伝子検査をして、自分にあった抗がん剤を見つけることを試みることがあります。
その際には、「FoundationOne CDx」という検査キットを用います。
これまでは、がんの細胞を採取して、この検査をしていました。
問題点として、細胞を採取する際に、患者さんに多大な負担を与えることがありました。
しかし、7月からは、採血だけで、この検査を受けられるようになります。
そうであれば、とても負担が少なく、遺伝子検査を受けられるようになりますね。
注意事項
ご紹介した薬が実際に使えるまでは、タイムラグがあります。
部会審議での承認、もしくは、製造販売承認された薬剤薬剤を紹介していることになります。
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0014.htmlより画像を引用