1. TOP
  2. 卵巣がん
  3. ゼジューラという卵巣がんを抑える薬の効果と副作用を医師が解説

ゼジューラという卵巣がんを抑える薬の効果と副作用を医師が解説

 2023/03/16 卵巣がん  

こんにちは。加藤隆佑です。札幌でがん治療を専門にしている医師です。

本日は、ゼジューラという卵巣がんを抑える薬について解説したいと思います。

ゼジューラの効果とは?

白金系抗癌剤を投与して効果があった方を対象に、ゼジューラを投与すると、約14ヶ月がんを抑え続けることがあるとされています。

14ヶ月というのは中央値という数値となり、実際には個人差があります。

何年にもわたって効果が出続けることもあります。

特に、BRCA遺伝子に異常がある場合は、相同組換え修復異常(HRD)がある場合は、ゼジューラがより長期にわたって効果が出るとされています。

ゼジューラの副作用は?

問題となることが多い副作用は、以下の副作用です。

1、血小板減少

2、貧血

3、倦怠感

この3つが頻度が多く、それ以外には、以下のような副作用が問題になることもあります。

間質性肺炎、食欲低下、高血圧など

以上の副作用が強く出た場合は、いったん休薬して、半分の量で再開することが多いです。ただ、人によっては、継続できなることもあります。

このような副作用が出ることは、投与してから、だいたい4ヶ月くらいまでです。4ヶ月経過して問題なければ、多くの方は、順調に治療が受けられることでしょう。

これまで用いられていたゼジューラの兄弟的な薬として位置付けられるリムパーザでは、吐き気が問題になることが多かったですが、この薬剤ではそういうことは少ないです。

ぜジュラーの半分にしても大丈夫か?

データを見てみると、副作用のために半量にしても治療効果に問題はないということになっています。

そして、ゼジューラと同じ仲間の薬として、アバスチン、オラパリブ(製品名:リムパーザ)がありますが、今後、ゼジューラが主流になると思われます。

卵巣がんが再発しても、ゼジューラといった薬を活用することが、かなり長生きできるようになってきました。

このような薬剤をうまく利用して治療を受けていくと良いです。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

加藤隆佑医師のプロフィールの詳細はこちら

関連記事

  • 卵巣がんの治療の流れ|症状と診断ならびに治療を医師が解説

  • リムパーザ(オラパリブ)の効果と、吐き気という副作用を取り除く方法を医師が解説

  • ジェムザール(ゲムシタビン)の間質性肺炎という副作用の対処法を医師が解説

  • 卵巣がんの腹腔内化学療法について医師が解説

  • 卵巣がんの手術数のランキングを公開!

  • 運動やリハビリのがんへの効果は?運動でがんの進行や再発を抑えられるかを医師が解説