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骨転移に対する痛みをとるための、経皮的椎体形成術を医師が解説!

 2021/01/19 がんによる痛みのコラム  

こんにちは。加藤隆佑です。

骨転移によって、痛みがでることがあります。

その痛みをとるために、よく用いられる方法は、以下のとおりです。

  • 放射線治療
  • モルヒネに代表される医療用麻薬
  • 消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)


さて、これらの方法以外にも、経皮的椎体形成術という特殊な方法で、骨転移の痛みを取り除くことはできます。

経皮的椎体形成術とは?

がんが、椎体(背骨のこと)に転移することがあります。

その結果、椎体が、圧迫骨折を起こすことがあります。

圧迫骨折をすると、強い痛みが出現します。

その痛みに関して、経皮的椎体形成術を行うと、その痛みが和らぎます。

経皮的椎体形成術とは、圧迫骨折のために、潰れた椎体の中にセメントを注入して、潰れた椎体を、元の形に戻すことです。

80%以上のケースで、3日以内に高い除痛効果が得られるとされています。

さらに、体へのストレスも少ないです。

以前は、この治療法は先進治療になっていましたが、現在は保険診療で受けることができます。

東徳洲会病院で、経皮的椎体形成術の解説ビデオがありましたので、ご覧ください。

さて、病院によって、入院期間は異なりますが、短い場合ですと、日帰りでできます。

透視室で局所麻酔をして、行います。約1時間かかります。ます。

椎体形成術の合併症とは?

安全な手技とされおり、副作用の頻度は約3%以下です。

1、穿刺に伴うもの

穿刺部位周辺の血腫形成、一時的疼痛、膿瘍形成、敗血症

2、注入セメント漏出に伴うもの

末梢神経障害、脊髄症状(膀胱直腸障害、下肢麻痺)、背部痛や腰痛の悪化、肺塞栓の出現(低酸素血症、呼吸困難)

3、セメント製剤によるもの

一過性血圧低下、アレルギーショック、心機能の低下、不整脈の発生

この単元のまとめ

椎体(背骨のこと)に、がんが転移したことにより、圧迫骨折を起こすことがあります。

そのような場合は、経皮的椎体形成術は、非常に有効な治療法になります。そして、この治療法は、普及してきています。

主治医に、相談してみてください。

さて、骨転移による痛みを取り除くだけでは、十分ではありません。

さらに、強力に、がんの増殖を抑えないといけません。

そのために必要なことは、こちらで学ぶことができます。

 

 

 

文献:脊椎転移の経皮的椎体形成術(PVP)ガイドライン

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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