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ロンサーフの副作用で悩まれている方のブログをみて、医師が対処法を考える

 2021/01/20 副作用対策コラム  

こんにちは。加藤隆佑です。

ロンサーフというお薬には、大腸がんや胃がんで用いられる飲み薬です。

どんな副作用がでるか不安な方も、多いことでしょう。

実際に、ロンサーフの副作用に悩まれている方のブログをみて、私ならばどのように対処するかを、考えてみました。

1、ブログで、よく書かれている副作用は、こんな感じです。

1日目
体調に変化なし

2日目
少しムカムカして、だるい。

3日目

眠気に襲われる。
ムカムカ感があり。

4日目
眠気に襲われる。
ムカムカはあるけど、食事は食べられる。

5日目
だるさがでてきた。

6日目
今日から休薬。体が軽く感じる。家事もできるようになる。

私の対処法

はじめに簡単か解説です。

ロンサーフの副作用は、白血球減少といった血液毒性、ムカムカ、倦怠感、下痢です。

そして、これまでの診療の経験から、このくらい闘病記の内容の程度の副作用で済む方が多いという印象を持っています。

次に対処法です。

ムカムカに対しては、ムカムカを抑える漢方や、軽い吐き気止めで、もっと症状を楽にできます。

倦怠感に関しても、倦怠感を楽にする漢方を2種類くらい併用すると、かなり倦怠感はとれます。

ちなみに、倦怠感をとる漢方の1つに人参養栄湯があります。

保険診療でも処方してもらえる漢方です。

しかし、一部の方は、今回ご紹介した程度の内容の副作用ならば我慢しようと思われる方もいらっしゃいます。しかし、それではいけません。もっと副作用を楽にして、もっと快適に過ごせるようにしないといけません。

なぜ副作用を我慢してしまうのか?

いろんな理由がありますが、その1つに以下のような理由があげられます。

「がんは、命に関わる病気。

命をとられないようにするためなのだから、多少の副作用は我慢しないといけない。」

そのように思われる方がいるようです。

確かに、副作用を制御できない上に、その薬を飲み続けないと死んでしまうというときは、そのような考え方も許容できるのかもしれません。

しかし、実際は、副作用をもっと楽にする方法があるわけです。

そうであるならば、あえて我慢し続ける理由はないのではないでしょうか?

注意点として、治療を継続していくと、次第に、食欲不振が強くなる方もいらっしゃいます。

そのような場合は、少しロンサーフを減量するとよいでしょう。

さて、抗がん剤の副作用を減らすことは、他にもあり、こちらでも解説していますよ。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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