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薬も大切ですが、自分自身にも病気を、治す力は秘められています。

 2021/01/20 心のケア  

こんにちは。加藤隆佑です。

私たちは、病になれば、病院で薬を処方してもらいます。その繰り返しが、病気を治すためには、薬が必要であると考えがちになっていしまいます。

しかし、必ずしもそうではないことを、結核を例にとってお話いたします。

結核の死亡率ですが

1812年:1万人のうち700人

1882年:1万人のうち370人

1910:1万人のうち180人

1945年:1万人のうち48人

上記のように推移しています。ここで質問です。抗結核薬が広く普及したのはいつころでしょう?

答えは1945年以降です。

すなわち、薬が普及する前から結核による死亡率が激減していたのです。

具体的には、衛生状態の向上や食料の安定的に供給されたのです。

薬も大切ですが、薬以外の要因も大切ですね。

そのことを踏まえて、次は、がんの話をします。

膵がんの治療で広く使われつつある抗がん剤でエルロチニブというものがあります。

従来からある抗がん剤であるゲムシタビンと「ゲムシタビンとエルロチニブ併用」で比較した生存曲線です。

 

統計上の結果として、併用したことにより約2週間長く生きれるようになりました。

薬を追加して、2週間長くいきられたということです。

次にお示しする図は、肺癌の患者さんで通常の抗がん剤治療のグループ(青線)と同じ抗がん剤治療に早い段階からの痛み止めとカウンセリングを併用したグループ(赤線)を比較しました。

早めに痛み止めをして、カウンセリングをうけた方が2ヶ月長く生きられるようになりました。

同じ抗がん剤を受けていても、痛みをおさえ、精神を整えると、ここまでの違いがでるのです。

ここまででお伝えしたいことは、自分の体調(精神面と肉体面)と環境を整えることも大切だということです。

  • 適切な病院の治療
  • ストレスを減らし健全な精神状態

この2つをバランスよくやっていかないといけません。

そのためのコツは、こちらで解説しています。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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