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放射線治療は、病院によって治療成績は異なる!その理由を医師が解説

 2021/02/18 放射線治療  

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療を専門に総合病院で勤務しています。

本日は、放射線治療に関するお話です。

放射線治療は、どこで治療を受けても、治療成績は同じと思われていませんか?

そうではありません。

どこで受けるかで、治療成績が大きく変わることがあります。

そのような事実を示した論文がいくつかあり、たとえば、ジョン・デイビット医師は、論文で、治療実績が多いところほど、治療成績が良いという報告をしています。

「病巣になるべくたくさんの放射線をあてて、他の部位には極力放射線を当てないようにする。」

これは、全ての放射線治療医が、意識していることなのですが、そのテクニックに病院、そして個人における差があります。

放射線治療による副作用の出方も、医師の技術が反映されます。

例を挙げてご説明いたします。

ドカンと大量の放射線を照射するピンポイント照射(定位照射)という方法があります。

少しでも多くの放射線をあてた方が、がんの制御率は上がります。

そして、工夫を凝らした治療をしている施設では、がんに、よりたくさんの放射線を照射しています。

下の図は、どちらも定位照射なのですが、工夫をした照射法の方が、がんに当たる放射線量が高いです。

がんに当たる放射線量が高いほど、がんの制御率が高くなります。

別の例を提示します。

直腸がんが、肝臓に転移した場合に、完全ながん消失を目指した放射線治療を、肝臓に転移した直腸がんに対して行うことがあります。しかし、がんの制御率が非常に悪いです。

たかだか2cmにも満たないがんが、放射線をあててもビクともせず、愕然としてしまうことも珍しくありません。

しかし、照射法を非常に工夫したごく一部の施設では、ほぼ100%の確率でがんの制御に成功しています。

放射線治療というは、病院によって、治療成績が大きく異なることがあり、施設を選ぶということがとても大事になるのです。

選択の基準の1つが、治療実績の数が多いことです。

ただし、放射線治療を緊急でしないといけない局面があります。そのような時には、施設を選ぶというよりも、治療をしていただけるところで、治療をしないといけません。

また、治療内容によっては、どこで治療を受けても、効果に大きな違いがないこともあります。

 

 

参考論文:Treatment at high-volume facilities and academic centers is independently associated with improved survival in patients with locally advanced head and neck cancer

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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