オキサリプラチンによる、しびれを解決する方法
こんにちは、加藤隆佑と申します。がん治療を専門に診療をしています。
今日は、大腸がんや胃がんで用いられる抗がん剤であるオキサリプラチンの副作用対策についてお話します。
オキサリプラチンは治療でとても重要な武器になります。
例えば、大腸がんで肝転移があって手術ができなかった方で、この薬を併用した抗がん剤治療により、手術ができるようになり、癌をすべて取り除くことができることもあります。
とても効果的な抗がん剤なのですが、弱点の一つが末梢神経症状です。
オキサリプラチンによる末梢神経症状とは?
1、 薬の投与後数日の間におきる末梢神経症状
手、足、口周囲の感覚の麻痺であったり、ピリッとした痛みを伴うこともあります。
冷たさを感じること”により、症状がでることが多いです。2から3日で症状はよくなることが多いです。
2、この薬を何回も使用していると、しびれ物質が蓄積して生じる抹消神経症状
症状は長時間続きます。ただしす。
具体的な症状としては、しびれや痛みのために、ボタンがはずしにくい、しびれて歩きにくい、細かな作業がしにくいといった症状です。
薬を3ヶ月くらいお休みしたら、75%の方は多少は症状がよくなりますが、なかなか完全には症状はとれません。
オキサリプラチンによるしびれの対象法は?
1、 薬の投与後数日の間におきる末梢神経症状
冷たいと感じる動作を避けることが解決策です。
- 熱い夏の日でも、エアコンの冷たい風にあたらないようにする。
- 靴下やスリッパをはいたり、アイスクリームを食べないようにしたりする。
- 冷蔵庫の物、ドアノブ、郵便受け、はさみ等の金属製品を素手で直接さわらないようにしたりする。
2、この薬を何回も使用していると、しびれ物質が蓄積して生じる抹消神経症状
一般的には、以下のような対処法がなされます。
牛車腎気丸という漢方薬
桂枝加朮附湯という漢方薬
プレガバリン(製品名はリリカ)
抗けいれん薬
抗うつ薬
どれも、しびれを改善させる選択肢として提示できますが、思ったように改善しないことが多いです。
最も重要なことは、無理をしない、しびれが強くなってきたら、お薬をお休みするという選択肢です。
ちなみに、私は煎じる漢方を用いた治療を行なっています。
8割くらいの方に改善したというお声を頂いております。
この治療法を論文などで報告しましたら、お伝えしますね。