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胃がんステージ4の方のブログに対する、現役医師の考えを述べます。

 2021/01/20 胃がんコラム  

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療を専門に総合病院で勤務しています。

胃がんのステージ4になって、抗がん剤治療を受けらている方のブログを拝見しました。

治療中の様々な思いや、副作用に対する悩みなどが、書かれていました。

人によって、ぶつかる困難は異なるかと思いますが、適切に対処をしたら、乗り越えられるものが多いです。

実際のブログ記事に書かれていた悩みなどに対して、私ならばどのように対処するかを、考えてみました。

1、ブログで書かれているお悩みで、よくあるパターンのものを物語風にしてご紹介します。

抗がん剤治療が始まったが、妻は「抗がん剤は元気な細胞も攻撃するからやめたい」とよく口にしていました。妻は抗がん剤は体に良くないと、標準治療には前向きではなかったのです。

そのことが原因で、何度か喧嘩になることもありました。

私としては、子供達のためにも癌をやつけて元気になってほしいし、治療を頑張ってほしいと思います。

しかし、実際に自分が抗がん剤を飲んでいるわけではないので、治療を頑張るように言うのは簡単なことではあるけど、本当に副作用がきついんだと思います。本人にしか分からない辛さ苦しさもあると思います。

 

<医師からの視点による意見>

抗がん剤といえば、元気な細胞も攻撃するから、とても不安な気持ちを訴えられる方はいらっしゃいます。

だからこそ、その副作用を抑える工夫を医師はしないといけません。副作用を0に近づければ、元気な細胞へのダメージは、ほとんど与えずにすみます。

私が担当させていただいている患者様に関しては、漢方や抗がん剤の量の工夫を心がけています。

幸いにも、副作用で悩まされる人は、あまりいません。

しかし、なかなか副作用を取り除けないことも、滅多にないのですが、経験することはあります。

副作用で悩まされることは、個人差はあると同時に、副作用のコントロールする医師の腕にもかなり左右されるかなという印象があります。

同時に、患者さんサイドで、副作用対策でできることもあります。例えば、漢方を取り入れることです。

自宅で取り入れることができる漢方も、副作用を減らしてくれます。

そのような工夫をすることによって、体への負担を抑えれば、治療に対する姿勢に変化がでるのかもしれません。

妻が癌と告知されてから色々と考えさせられることがありました。普通にご飯が食べれることが、どれだけ幸せなことなのか改めて感じました。ご馳走でなくても、普通に食べれること本当に幸せなことなんだと。

家族の大切さも感じました。

 

<医師からの視点による意見>

私も、体調が崩れて大変だったことがあります。その時には、同じことを感じました。

普通に生きていることだけでも、すごいことなんだと思います。

肝臓と胃のがんも、抗がん剤で小さくなってるとの結果でした。

このまま治るのではないかと思い、「癌が消えることはないんですか?」と聞くと

「今は抗がん剤が効いていますが、いずれ効かなくなります。その時は次の薬に切り替えましょう」とのこと。

そして見せられた絵に余命が書いてあった。うれしかったのに、いきなり地獄に落とされた感じ。

もう少し親身になってくれると、頑張ろうと思うのに、がっかりしました。

妻はもともと、担当の主治医が嫌いみたいで信頼してなかったようですが、私も診察について行って、妻の気持ちが分かりました。

 

<医師からの視点による意見>

頻度の高い話ではないのでしょうが、抗がん剤が効いて、手術をして、寛解状態に持っていける患者さんもいらっしゃいます。

治らないと決めるける必要はありません。

そして、この主治医は悪気があったわけないのでしょう。しかし、患者さんの気持ちを察しない言葉を発することが多い医師も、一部いらっしゃいます。

その結果、患者さんは、落ち込み、食欲もなくなってしまう。

そのような方もいらっしゃいます。

そのようなことが頻繁にあるならば、、主治医を変えた方が良いかもしれません。

気は病からという言葉もある通り、ネガティヴな気持ちに支配されすぎると、良い治療結果につながないからです。

主治医を変えることに抵抗がある方は多いかと思いますが、思い切って主治医を変更してもらったら、よかったというお声を聞くことはよくあります。

最後に今日のまとめです。

がんの治療においては、いろんな工夫ができます。

ちょっとした工夫で快適な治療にすることもできます。

そのためのヒントをこちらで学ぶことができますよ。

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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