がんに伴うリンパ浮腫の悩みを解決するためにすべきことを医師が解説
こんにちは。外園正光と申します。小樽協会病院でがん治療を専門の1つとして勤務しています。
あなたはリンパ浮腫に悩まれていませんか?
リンパ浮腫を治すための方法はあります。
しかし、治すために具体的にすべきことはちゃんとあるのですが、世間に広くは広まっていません。
従って、リンパ浮腫に悩まれている方はとても多いです。
リンパ浮腫のメカニズムをお伝えしつつ、対処法をおしらせします。
リンパ浮腫になる理由
浮腫とは、表皮と筋膜の間に液体(水)が溜まっている状態のことです。
リンパ管は一方通行弁なので、リンパ管の中をリンパ液がスムーズに流れないと、弁が開いたままになり、リンパ液が溢れ出します。その結果、リンパ浮腫になります。
そして、リンパ浮腫の程度に影響を与えるのは、以下の3つです。
・筋力
・脂肪の多さ
・皮膚の硬さ
皮膚の硬さやなかなか調節できませんが、ダイエットして脂肪を減らしたり、筋力はつけることができます。
したがって、普段から筋力を鍛えて、太らないようにすることが、浮腫の軽減や予防につながります。
ちなみに、キリンは、筋力があって、脂肪が少なく、皮膚も硬いので、浮腫になることはないそうです。
同時に、普段からスキンケア、つまり保湿をすることも大事です。
リンパ郭清したら、全ての方がリンパ浮腫0期
早く見つけて重症化しないようにする事が大事です。
セルフチェックのポイントは、皮膚をつまんで、浮腫んでないかを確認することです。
左に比べて右が浮腫んでいる場合、もしくはその逆の場合は、リンパ浮腫を疑います。
左右差があることが多いのです。
左右差がない場合の浮腫は、リンパ浮腫以外の原因も考えないといけません。
リンパ浮腫になりやすい場所は、乳がんは腋の下であり、女性器がんは太腿の内側です。
また、いつまで浮腫が続き、時間が経過しても浮腫が軽減しないのが特徴です。
リンパ浮腫との付き合い方
リンパ浮腫に支配されずに生活する事が肝要であり、やっていけない事はありません。
基本的には、運動も種類もこだわらなくて大丈夫です。飛行機もエコノミーでOKです。
ただし、重い荷物を持ったり、長時間の立ち仕事、高温のサウナなどはNGです。
そして筋力をつけてくださいね。
階段を登る運動や、体幹を鍛える運動は非常に効果的です。
このようにして、リンパ浮腫は、予防にしていくことが大切です。
万が一、リンパ浮腫が悪化したら、一人で対処しても改善は見込めません。
リンパ浮腫外来を受診してください。
以下のような治療を検討します。
●スキンケア
●用手的なリンパドレナージ=手で行う治療的なマッサージ)
●弾性包帯や弾性着衣(弾性ストッキング等)による圧迫
●弾性着衣などで圧迫した状態で行う運動
●体重管理などの日常生活の注意
弾性着衣とは、以下のようなものを指します。
画像引用:がん情報サービス〜リンパ浮腫について
一方で、治療を受けても、あまりよくならない方を、見かけることも珍しくありません。
そのようなときは、よりリンパ浮腫に力を入れている病院を見つけると、解決できることがあります。
リンパ浮腫の症状で悩まされるときや、窩織炎を繰り返すときは、どうしたら良い?
漢方も、リンパ浮腫によって引き起こされる症状を緩和します。
例えば、柴苓湯という漢方は試みる価値が高いです。
それにより、症状が改善したり、蜂窩織炎を繰り返さな区なることもあります。
リンパ浮腫には、漢方も併用すると良いですよ。
参考資料:がん情報サービス〜リンパ浮腫について
参考資料:慢性リンパ浮腫に対する柴苓湯の有用性