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抗がん剤による口内炎を予防する方法を医師が解説

 2021/01/21 副作用対策  

こんにちは。加藤隆佑です。

本日は、抗がん剤の副作用の一つである口内炎をいかに防ぐかというお話です。

口内炎はとても不快な症状です。ひどい場合だと、口の中が真っ白になって、血がでることもあります。治療のためとはいえ、がまんするのもつらいです。

いままでやられていた対策として、以下のものがあります。

自分でできること

1、口腔内の衛生状態をきれいに保つ

うがいを定期的にして下さい。オススメは、生理食塩水(500mLの水に対して小さじ1杯分の食塩を溶かした食塩水)でうがいをすることです。

同時に歯磨きをしましょう。

ただし、口内炎があるときには、歯磨き剤を用いることは避けてください。口内炎の治りを悪くします。口内炎のために痛くて歯磨きができないときには、うがいだけでも大丈夫です。

歯磨きのコツはこちらでも解説しています。

2、口内炎に、痛みにくい食べ物を選ぶ〜酸味やスパイスを避ける

薬物療法

1、ステロイド入りの軟膏を塗る。

痛いときには、以下のような方法があります。

食事のときに食べ物が当たるなどで痛みが強い場合には、範囲の狭い小さな口内炎でも、症状が悪化する前からうがい薬に局所麻酔薬(リドカインなど)を混ぜて使用することがあります。

うがいが届きにくい唇の周り(口唇粘膜)などに口内炎ができた場合には、スプレータイプの粘膜保護剤(エピシルなど)を用いることがあります。

引用:がん情報サービス〜https://ganjoho.jp/public/support/condition/stomatitis.html

口内炎がひどくて、食事が全く食べられないときには、点滴をすることもあります。

2、抗がん剤の投与するときに、口の中を氷などで冷却する

2の方法は、口内炎の発生頻度の高い5-FUという薬を短時間で大量に血中に投与する場合に使われる方法です。

その薬の投与の5分前から30分ほど、口の中に氷をいれて冷やします。

これらは、効果があるときもありますが、効果に個人差がかなりあります。

今あげた方法以外で、とれる対策があるわけではないので、いろいろやっても、効果がなければ、”がまんするしかないですね”、という感じになっていたのがこれまでの現状でした。

しかし、最近になり、口内炎対策としていろんな方法がわかっています。

そして、医学的データと、私のこれまでの経験を踏まえると、効果を強く実感できる方法は、漢方と、栄養剤を飲むという方法でした。

1、漢方

口内炎にきく漢方は、何種類かあります。

オススメの1つは半夏瀉心湯を用いて、何回もうがいをする方法です。

具体的には以下を参考にしてください。

2、エレンタールという栄養剤を飲むという方法

エレンタールは口内炎の発生をかなり軽減するというデータがあります。

エレンタールに、グルタミンというアミノ酸が含まれていて、それが口内炎を防ぐようです。

エレンタールは、昔からある保険診療の中で処方することのできる栄養剤であり、安全なものです。

それが、がんの治療にも使えるようになってきたのです。

ごはんが食べれないときの栄養補給にもなりますし、腸管の免疫も高めます。それは、よりよい治療効果にも結びつきます。

このような対策をとりながら、口内炎を予防し、できてしまったとしても、治るまでの期間を短縮させていきましょう。

さて、抗がん剤の副作用対策には、いろいろあります。

こちらでも、副作用を減らすコツをお伝えしています。

 

参考文献:抗がん剤治療による口内炎に対する 半夏瀉心湯の効果

参考文献:消化器癌化学療法における口内炎に対する エレンタール(ED)の有用性の検討

参考文献:国立がん研究センター内科レジデント編.がん診療レジデントマニュアル 第7版.2016年,医学書院
参考文献:国立がん研究センター.平成24年度 厚生労働省・国立がん研究センター委託事業 全国共通がん医科歯科連携講習会テキスト 第1版.2012年
参考文献:独立行政法人医薬品医療機器評価機構ウェブサイト.重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療従事者向け)抗がん剤による口内炎.2009年
参考文献:日本がんサポーティブケア学会 粘膜炎部会編.「JASCCがん支持医療ガイド翻訳シリーズ」口腔ケアガイダンス 第1版日本語版.2018年
参考文献:日本口腔ケア学会学術委員会編.口腔ケアガイド.2012年,文光堂
参考文献:上野尚雄ほか編.がん患者の口腔マネージメントテキスト-看護師がお口のことで迷ったら-.2016年,文光堂
参考文献:的場元弘編.在宅療養中のがん患者さんを支える口腔ケア実践マニュアル.2014年
参考文献:森田達也ほか監修.緩和ケアレジデントマニュアル.2016年,医学書院

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

加藤隆佑医師のプロフィールの詳細はこちら

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