大切な家族をサポートするためには、介護保険を最大限活用しよう!
こんにちは。加藤隆佑と申します。
札幌の総合病院でがん治療を専門にしている医師です。
本日の本題に入らせてもらえればと思います。
がんになった家族をサポートするためには、介護保険を活用することが、大事です。
できることはしてあげたいと思っても、介護保険を活用したほうが、よりよいサポートをできます。
プロの手を借りつつ、自分にしかできないところを自分がする
そうすることによる、あなた自身も毎日の生活で余裕をもちつつ、大切な人のよりよいサポートができるようになります。
そのために、すべきことを書いていきます。
Contents
介護保険を導入するためにすべきこと
1、主たる介護者を決めましょう。
キーパーソンを決めるということです。
その方が、ケアマネージャーとの交渉や、他の家族の意見をとりまとめます。
介護をうけようとしている人のできること、できないことをまとめておくとよいでしょう。
2、できる限り、仕事と両立して介護をするようにしましょう。
そのために、介護休業や介護休暇を活用するとよいです。
時短勤務、フレックスタイム、時差出勤なども交渉してましょう。
介護者と介護される人が、共倒れになるようなことは、絶対に避けてほしいです。
3、はじめに、地域包括支援センターか、病院のソーシャルワーカに相談してください。
地域包括支援センターに相談する場合は、住んでいる自治体によって行われるサービスが異なるために、介護される人がすむところで相談してほしいです。
無料であり、電話でも相談できます。
介護に関連することは、なんでも相談にのっていただけます。
- 介護保険についての相談
- 要介護認定の手続きの代理
- 在宅でできるサービスの紹介など
病院のソーシャルワーカーに相談してもよいです。
4、ケアマネージャーを見つける。
ソーシャルワーカーから、ケアマネージャーを紹介してもらうか、地域包括支援センターでケアマネージャーが所属する事務所のリストをもらい、自分で連絡をとって、ケアマネージャーを見つけます。
相性が悪いケアマネージャーになったら変更はできますので、ひとまず、時間をかけずに、はじめのケアマネージャーを見つけてください。
5、ケアマネージャーに自宅に来てもらい、状況や希望を伝える。
この際に、ケアのためのプランをたてるための情報を集めることになります。
とても大切なことなので、家族も同席して、積極的に自分たちの希望を伝えてください。
その際に、介護される人は、自分はこんなに、いろんなことができるのだと、アピールをしないでください。
普段とおりの姿をみせてほしいです。
そうしないと、適切なケアプランを作ることができなくなります。
6、ケアマネージャーがケアプランを作成し、サービスを提供する事業者を契約して介護サービスがスタート
もし、介護認定をうけたときよりも、さらに状態が悪化した場合は?
区分変更を申請することになります。
要介護認定の結果に納得いかなかったら?
https://www.town.fuso.lg.jp/kaigo/youkaigonintei.htmlより画像を引用
要介護が本来ならば3程度とおもっていたのに、2という判定になり、その結果、必要なサービスを十分に使うことができない。
そんなときも、区分申請をしてください。
受けられるサービスの具体的な内容は?
自宅でうけるサービス
1、訪問介護
入浴、トイレ、食事などの介助
生活必需品の買い物や薬の受け取りや食事の準備もしてくれます。
2、訪問入浴
入浴の介助。
3、訪問看護
血圧のチェックや、点滴
4、訪問リハビリ
自宅でリハビリ
外でうけるサービス
1、デイサービス
自宅に送迎にきてくれます。
そして、デイサービスセンター・特別養護老人ホームなどの福祉施設で、入浴・食事・運動・体操・レクレーション活動をします。
日帰りです。
2、デイケア
介護老人保健施設や病院などの医療施設で、主治医の指示をうけながらリハビリを受けます。
日帰りです。
3、ショートステイ
・短期入所生活介護
デイサービスの宿泊バージョンのことです。
特別養護老人ホーム、ショートステイ専門施設、一部の有料老人ホームで行われます。
・短期入所生活介護
デイケアの宿泊バージョンのことです。
介護老人保健施設や介護医療院で行われます。
必要に応じて、ショートステイを組むことはできますし、ケアプランの中に組み入れて、定期的にショートステイを行うようにすることもできます。
介護保険以外のサービスも活用できる。
- 自治体独自のサービス(費用は安め)
- 非営利団体のサービス(費用は安め)
- 民間のサービス(費用は高め)
上記において、配食サービス、買い物依頼、家事のサポートをしてくれます。
地域包括支援センターや、社会福祉協議会に相談してみましょう。
どのくらいお金がかかる?
介護保険料を支払っていて、介護保険の認定をうければ、自己負担額は、1〜3割です。
https://www.nichii-kaigo.jp/basic/money/より画像を引用
支給額をこえた部分は、全て自己負担となります。
在宅が限界になり、施設に入所することになった場合の施設の選び方
施設には大きく分けると2つに分けられます。
・介護型の施設
施設の職員が、介護をします。
介護度が高い場合は、こちらになります。
例)特別養護老人ホーム、介護つき有料老人ホーム、グループホーム
・住宅型の施設
介護サービスが必要な場合は、外部の事業者と契約しないといけません。
メリットは、安否確認や生活相談などが受けられることになります。
ある程度は自立した生活した人が住む施設です。
例)住宅型老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
選び方は、
エリア→介護内容→費用です。
このことについても、地域包括支援センターで相談するとよいです。
数個見学して、実際に入居している方の様子をチェックしてほしいです。
そして、重要事項説明書をチェックです。
これをチェックしないで、決めたら、後悔することになるかもしれません。
今回は、ざっくりとした流れを解説しました。
もっと、知って欲しいことがあります。
たとえば、
- 親が金銭的なゆとりがないときはどうする?
- 施設入居後もしないといけない子供の役目とは?
- 親の貯金額を知らないと困ったことが起こる
- 子供が病院に付き添えない場合はどうする?
- 親が要介護認定をいやがったらどうする?
- 要介護認定をうけたのに、親がサービスを受けたがらなかったらどうする?
といったことです。
追記)今回の記事は、安藤なつさん、太田 差惠子さんによって書かれた「知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門 」を参考にしてかいています。
とてもわかりやすい本でした。この本で知ったことで、ぜひ、伝えたい内容の1割くらいしか、記事にかけていません。