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この症状は、がんや抗がん剤の副作用ではなく、〇〇が原因です。

 2022/06/27 副作用対策  

こんにちは。加藤隆佑と申します。

札幌の総合病院でがん治療を専門にしている医師です。

本日の本題に入らせてもらえればと思います。

この症状は、抗がん剤の副作用かな?と思っていたら、実は、全く違うことが原因だったということはあります。

最近、足が浮腫んできたのは、がんが悪化して来たのかなと思うことがあるかもしれません。そのような時も、実は、全く違う原因であることもあります。

なにかしら症状が出た時には、普段の何気なげなく飲んでいる薬が副作用である可能性を、常に念頭に置かないといけません。

例えば、

浮腫の原因として、血圧をさげる薬の1つであるカルシウム拮抗薬が、原因になることがあります。

味覚異常の原因が、エスゾミクロン(ルネスタ)という不眠症の薬が原因になることも、珍しくありません。

体調不良の時に、毎日、飲んでいる薬が原因のことがあるので、そのような時には、かかりつけの薬剤師に、「この中のどれかで、今の症状が起きている可能性はありますか?」と聞いてみてほしいです。

医師は、患者さんが飲んでいるお薬すべてを把握できていないことが多いので、かかりつけの薬剤師に、確認することが大事です。

副作用の連鎖が続く可能性があることも、忘れてはいけません。

たとえば、以下のようなことを指します。

・・・・・

ドペネジルという認知症の薬を神経内科から処方される。

その後、気持ち悪くなり、胃腸科受診し、プリンペランという胃薬を処方される。

(気持ちが悪いのは、実は、ドペネジルの副作用)

その後、安静にしていても体が勝手に動くという症状が出て、脳神経外科を受診したらパーキンソン病と言われる。

(勝手に動くのは、実は、プリンペランの副作用)

・・・・・

笑い話のようなことですが、実際にこのようなことが起きることがあります。

最後に、薬の副作用との関係性がよく指摘される症状と、それを引き起こす薬剤を列挙しますね。

これまで大丈夫でも、ある日とつぜん、普段飲んでいる薬の副作用が出ることもあるので注意が必要です。

そこで、気になる症状のところがあれば、そこをクリックしてください。

ふらつき・転倒

・中枢性の血圧を下げる薬

あまり使われることがない降圧薬になりますが、以下のようなものがあります。

クロニジン(製品名カタプレス)、グアナベンズ(製品名ワイテンス)、メチルドパ(製品名アルドメット)

・睡眠薬

・不安をとる薬

・うつ病の薬

・てんかん治療薬

・パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)

・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬や、胃薬として使われます)

・メマンチン(アルツハイマー病の薬、商品名はメマリー)

・ファノチアジン系の抗精神病薬

クロルプロマジン塩酸塩(コントミン)、ノバミンなど

多岐にわたるので、詳しくはこちら

記憶障害

・中枢性の血圧を下げる薬

あまり使われることがない降圧薬になりますが、以下のようなものがあります。

クロニジン(製品名カタプレス)、グアナベンズ(製品名ワイテンス)、メチルドパ(製品名アルドメット)

・ベータ遮断薬という血圧を下げる薬

プロプラノロール塩酸塩(インデラル)、アテノロール(テノーミン)、ビソプロロールフマル酸塩(メインテート)

・ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

幅広く使われています。

・ベンゾジアゼピン系の不安をとる薬

幅広く使われています。

・うつ病の薬

幅広く使われています。

・てんかん治療薬

・パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)

抗コリン薬の薬については、後ほど、詳しく解説します。

長期間服用する際には、認知症のリスクをあげるので、注意が必要な薬剤です。

・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬や、胃薬として使われます)

・ファノチアジン系の抗精神病薬

クロルプロマジン塩酸塩(コントミン)、ノバミンなど

多岐にわたるので、詳しくはこちら

抑うつ

・中枢性の血圧を下げる薬

あまり使われることがない降圧薬になりますが、以下のようなものがあります。

クロニジン(製品名カタプレス)、グアナベンズ(製品名ワイテンス)、メチルドパ(製品名アルドメット)

・ベータ遮断薬という血圧を下げる薬

プロプラノロール塩酸塩(インデラル)、アテノロール(テノーミン)、ビソプロロールフマル酸塩(メインテート)

・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬や、胃薬として使われます)

・ステロイド

・甲状腺治療薬

甲状腺機能低下症では56%、甲状腺機能亢進症では31%に、うつ病の合併がみられたというデータがあります。

薬の副作用の関係がある一方で、うつ病と甲状腺機能には密接な関係があるためという考え方もできます。

・抗精神病薬

食欲低下

・非ステロイド系抗炎症薬

ロキソニン、ボルタレンなど

・アスピリン

・不安をとる薬

・抗精神病薬

・パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)

抗コリン薬の薬については、後ほど、詳しく解説します。

長期間服用する際には、認知症のリスクをあげるので、注意が必要な薬剤です。

・SSRIという、うつ病薬

ジェイゾロフト、デプロメール、ルボックス、パキシル、レクサプロ

・認知症の薬として使われるコリンエステラーゼ阻害薬

ドネペジル(アリセプト)、がランタミン(レミニール)、リバスチグミン(イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(メマリー)

・ビグアナイドと呼ばれる糖尿病薬

メトホルミン、グリコラン、メデット

・骨粗鬆症に使われるビスホスネート(飲み薬)

エチドロン酸(ダイドロネル)、アレンドロン酸(ボナロン、フォサマック)、イバンドロン酸(ボンビバ)、リセドロン酸(アクトネル、ベネット)、ミノドロン酸(ボノテオ、リカルボン)

便秘

・ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

幅広く使われています。

・ベンゾジアゼピン系の不安をとる薬

幅広く使われています。

・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬や、胃薬として使われます)

・ファノチアジン系の抗精神病薬

クロルプロマジン塩酸塩(コントミン)、ノバミンなど

多岐にわたるので、詳しくはこちら

・パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)

抗コリン薬の薬については、後ほど、詳しく解説します。

長期間服用する際には、認知症のリスクをあげるので、注意が必要な薬剤です。

・αグリコシダーゼという糖尿病の薬

アカルボース(グリコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)

・腸管の動きをやわらげる薬

ブスコパンなど

・過敏性膀胱(頻尿)の治療薬

口腔内の乾燥

・抗ヒスタミン薬

ポララミンや、ヒベルナなど

・利尿薬

ラッシクスや、アルダクトンなど

・血圧を下げる薬

アムロジン、アダラートL・CR、ディオバン、ミカルディスなど

・不整脈の薬

リスモダン、メキシチール、タンボコールなど

・てんかんの薬

エクセグラン、テグレトール、リボトリールなど

・うつ病の薬

排尿障害・尿失禁

・過敏性膀胱(頻尿)の治療薬

・腸管の動きをやわらげる薬

ブスコパンなど

・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬や、胃薬として使われます)

・ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

幅広く使われています。

・ベンゾジアゼピン系の不安をとる薬

幅広く使われています。

・ファノチアジン系の抗精神病薬

クロルプロマジン塩酸塩(コントミン)、ノバミンなど

多岐にわたるので、詳しくはこちら

・トリヘキシフェニジル塩酸塩というパーキンソン病治療薬

・利尿剤

・α遮断薬という血圧を下げる薬

こちらの表を参考にしてください。

「https://pharma-navi.bayer.jp/adalat/pharmacist/basic/03/t36」より引用

抗コリン作用がある薬は認知症のリスクになる!

3年以上、抗コリン作用がある薬を飲むと、そうではない人に比べて認知症のリスクが上がることが、2019年に判明しました。

もし、定期的に、毎日飲むような時には、止めることができないかを常に心の片隅に置いておくことが大事です。

・抗不整脈薬(例:リスモダン)

・第一世代の抗ヒスタミン薬

ジフェンヒドラミン(レスタミン、ドリエル)、プロメタジン(ヒベルナ、ピレチア)、クロルフェニラミン(ポララミン)、プロメタジン(ピレチア、ヒベルナ)、アリメマジン(アリメジン)、シプロヘプタジン(ペリアクチン)、クレマスチン(タベジール)

・低力価の抗精神病薬

フェノチアジン系 の クロルプロマジン 、 レボメプロマジン など。

・三環系抗うつ薬

イミプラミン や、アミトリプチリン など複数あり。

・ベンゾジアゼピン

ジアゼパム(セルシン)、エチゾラム(デパス)など複数あり。

うつ病、睡眠剤で用いられます。

・SSRIという、うつ病薬

ジェイゾロフト、デプロメール、ルボックス、パキシル、レクサプロ

・胃腸鎮痙薬

塩酸ジサイクロミン(レスポリミン)、臭化プロパンテリン、ブスコパンなど

・抗パーキンソン病薬(例:レボドパ)

・過敏性膀胱治療薬

フェソテロジン(トビエース)、フラボキサート(ブラダロン)、オキシブチニン(ポラキス)、プロピベリン(バップフォー)、ソリフェナシン(ベシケア)、トルテロジン(デトルシトール)

本日のまとめ

薬である以上、常に、メリットと、デメリットを天秤にのせて、飲むかどうかを考えないといけません。

メリットがあるならば、デメリットがあったとしても、服用するということになります。

しかし、最近の医療のトレンドをみてみると、「処方した薬を、飲み続ける価値があるかどうか」の吟味が足りないように感じます。

今、飲んでいる西洋の薬が、本当に必要かを、定期的に、しっかり吟味することもが大事です。

睡眠剤に、様々な副作用があって、飲み続けると不安と思われるときには、体への負担の少ない睡眠剤に切り替えるという方法もあります。

かかりつけの薬剤師に、相談してみるとよいですよ。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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