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エンドキサンという内服の抗がん剤は、乳がんに効果があります。

 2021/01/20 乳がんコラム  

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療を専門に、札幌市内の総合病院で勤務しています。

本日は、エンドキサンという抗がん剤について解説します。

エンドキサンという抗がん剤があります。

以下のがんに対して、効果があるとされています。

  • 乳がん
  • 肺がん
  • 咽頭がん
  • 胃がん
  • 膵がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 卵巣がん
  • 多発性骨髄腫
  • 悪性リンパ腫
  •  急性白血病
  • 真性多血症

エンドキサン の乳がんに対する効果とは?

さて、乳がんに対しては、「5ーFuとファルモルビシン」という抗がん剤と併用して、用いられることが、多いです。

つまり、3つの抗がん剤を併用して、治療を行うということです。

しかし、エンドキサン単剤だけでも、がんを抑える力はあります。

たとえば、以下のような報告があります。

進行乳癌 65 例に対し 50 ~ 150 mg/日の経口投与を行い,27 例(41.5%)に他覚的効 果が認められ,その効果持続期間は平均 9.85 ヵ月であった 。
(エンドキサン 錠のインタビューフォームより、引用)

再発乳癌 37 例 に 50 ~ 100 mg/日の経口投与を行い,9 例(24.3%)に他覚的効果が認められ,効果持続期間平均 14.3 ヵ月を得たとの報告がある。(エンドキサン錠のインタビューフォームより、引用)

ステージ4や再発の乳がんにおいては、エンドキサンを内服することにより、非常によい結果になることが、あるのです。

この治療法は、昔は、よくされていたのですが、最近は、あまりされなくなりました。ガイドラインに、この治療法の記載が、ないからです。

しかし、これまでのエンドキサンの内服による治療実績を考慮すると、試みるべき価値のある治療法になります。

ちなみに、もしエンドキサンを服用するならば、1日あたり100から150ミリ前後を2回に分けて飲むのがよいです。

エンドキサンの副作用は?

内服で、用いる場合は、大きな副作用がでることは、少ないです。

比較的、出現頻度の高い副作用は、骨髄抑制です。

骨髄抑制とは、血液の工場である骨髄の機能が低下することにより、貧血,白血球減少,血小板減少が出現することです。

適切に対処すれば、心配はいりません。

また、脱毛は高い頻度で出現します。

頻度は非常に低いのですが、出血性膀胱炎という副作用がでることがあります。そのときには、緊急の対応が必要です。

そして、長期間、エンドキサンを内服する場合には、子宮がんの発症に、気をつけないといけません。

この単元のまとめ

エンドキサンの内服は、乳がんのガイドライには記載がありません。

しかし、一部の方には、非常によい治療結果になります。

したがって、試みる価値の高い治療法となるでしょう。

さて、エンドキサン以外にも、非常に試みるべき価値の高い治療法はあります。

こちらで、その治療法を学ぶことができます。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:医薬品インタビューフォーム(エンドキサン)

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

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