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大腸がんの診断と治療|症状と診断ならびに治療を医師が解説

 2021/01/06 大腸がん  

こんにちは。加藤隆佑と申します。がん治療の専門医として、小樽協会病院で勤務しています。

さて、私の19年間の大腸がん治療の経験を踏まえて、大腸がんの治療の流れと、大腸がんを克服するためのコツを書いていきます。

大腸がんの症状とは?

大腸がんの代表的な症状は、血便、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少です。

特に頻度が高い症状は血便です。一方で、痔でも、血便になります。精密検査をしないと、どちらが原因か分かりません。

一方で、かなり進行しても、症状がでない場合があります。

また、大腸がんは、遺伝子やすいです。もし血縁者の中に大腸がんの方がいらしたら、症状がなくても、定期的に検査を受けましょう。

検査を受けるとしたら、大腸カメラが一番良いです。

大腸がんは、早期発見したら、治癒する病気です。

大腸がんの診断と、ステージの決め方

大腸カメラの検査により、大腸がんを疑わせる病変があれば、病変から細胞を採取します。その結果でがん細胞が検出されれば、大腸がんであることが確定します。

大腸がんがあることが確定したら、CT検査を受けてもらうことにより、ステージを決めることができます。

大腸カメラの検査とCT検査より、以下の状況を把握できます。

大腸のがんが、どの程度、大腸の粘膜に食い込んでいるか
転移しているリンパ節の数
遠くの臓器(肺、肝臓、腹膜など)に転移しているか

そして、ステージを決定します。ステージの詳細は、以下の通りです。

ステージを知ることにより、あなたが、以下のうちの、どの段階にいるのかを、知ることができます。

  1. 内視鏡治療でよい段階
  2. 腸を切除する手術が必要な段階
  3. 手術はしないで、抗がん剤治療が必要な段階

参考文献:がん情報サービス〜大腸がんと治療

ステージに応じた治療法

ステージ0の大腸がんの治療方針

内視鏡的な治療で、切除します。それにより、治癒します。

ステージ1、ステージ2、ステージ3の大腸がん

治療方針は、手術で、大腸がんを取り除くことになります。

手術のことに関しては、国立がんセンターの動画でわかりやすく説明されています。

そして、ステージ3と、ステージ2の一部の方は、手術の後、しばらくの間、抗がん剤によって、再発率を下げる治療を受けていただくことになります。

がんを手術で全部切除できたように見えても、その時点で、すでにがん細胞が別の臓器に転移している可能性があるからです。

術後の抗がん剤治療は、負担のない範囲で抗がん剤治療を受けることは大切です。

再発する確率を、さらに、下げることができます。

再発を抑えるために、知って欲しいことは、私の著書となりますが、「大腸がんと告知されたときに読む本」でも、詳しく解説しています。

 

ちなみに、最近になり、アメリカの権威のある学会で発表されたデータより、大腸がんの再発率を非常に下げる食べ物が、わかりました。

ナッツを定期的に食べている方は、そうでない方よりも、再発率が低かったのです。

普段の食生活も、がんの治療成績に影響を与えることが示唆されました。

参考文献:The relationship between nut intake and risk of colorectal cancer: a case control study

ステージ4の大腸がん

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

抗がん剤治療が中心となります。

抗がん剤であれば、体の血流にのって、体中にひろがったがん細胞に、がんを倒す薬の成分を、行き渡らせることができるからです。

抗がん剤治療と同時に、大腸にあるのがんのみを、手術で切除する治療を行うこともあります。

大腸にがんがあることが原因で、将来的に貧血になることを回避するためです。また、大腸にある、がんが原因で、将来的に、腸閉塞になることの回避することも、大腸のがんのみを切除する理由の1つです。

大腸がんは、完治を望める病気になりました。

大腸がんは、以前に比べると、克服できる病気になってきました。

その結果、余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。

そして、大腸がんに負けない体を作っていきましょう。

 

 

 

<参考文献>
日本医師会 大腸がんの原因
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/largeintestine/cause/
日本消化器病学会ガイドライン 大腸ポリープガイドQ&A
http://www.jsge.or.jp/guideline/disease/cp.html
独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/daityog.html
徳洲会グループ 消化器外科の病気 大腸がん
https://www.tokushukai.or.jp/treatment/digestive_surgery/daicho_gan.php
愛知県がんセンタ―中央病院 がんの知識 大腸がん
https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/12knowledge/iroirona_gan/03daicho.html
がん研究有明病院 大腸がんに対する腹腔鏡下手術
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/colon/004.html
同上 がんに関する情報 がん治療と食事
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/meal/index.html
同上 進行した直腸がんに対する最新の集学的治療と手術
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/colon/002.html
近畿大学医学部 外科学教室 大腸がん
http://www.kindai-geka.jp/general/intestine/intestinetreat.html
富山逓信病院 胃がんの内視鏡治療(EMR・ESD)
http://www.hospital.japanpost.jp/toyama/outpatient/examination/emresd.html
日本癌治療学会 がん資料ガイドライン 大腸がん
http://jsco-cpg.jp/guideline/13.html
東邦大学医療センター 大森病院 消化器センター外科 大腸癌の抗がん剤治療を受けられる患者さまへ
http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/gastro_surgery/coloproctology/anticancer/index.html

参考文献:『大腸がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ』国立がん研究センターがん報サービス

参考文献:大腸癌治療診療ガイドライン2019年版

補足:ステージ2のハイリスクの大腸がん(T4、低分化癌、閉塞や穿孔、郭清したリンパ節が12個を超える、手術治療後に癌の遺残がある、リンパ管または静脈侵襲、神経周囲侵襲、術前のCEAが高値)に関しては、術後の抗がん剤治療が推奨されています。しかし、マイクロサテライト不安定性がある場合は、5FU系の抗がん剤を投与しても、予後が改善しないとされているので、注意が必要です。〜参考資料:Des Guetz G, et al.: Eur J Cancer. 45(10): 1890-1896, 2009

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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