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がん治療における病院選びのコツを医師が解説

 2021/03/18 病院  

がん治療における病院選びのコツ

こんにちは。加藤隆佑です。

がん治療を専門にして、総合病院で勤務しています。本日は、がん治療を受ける際の病院を選ぶコツについてお伝えします。

1、手術を受ける場合

受けようとする手術の年間の手術数が多い病院が良いです。

例えば、お住いの地域にある、がん拠点病院も、候補の1つになるでしょう。

2、抗がん剤治療になる場合

抗がん剤の治療実績が多いことは、1つの指標になります。

ただ、治療実績が豊富でも、主治医と相性が悪かったり、主治医の経験が浅いために、大変な思いをさせられることもあります。

患者さんの苦痛に対して鈍感で、苦痛に対して何もアクションを起こしてくれない主治医に当たってしまっても大変です。

抗がん剤治療の場合は、病院の実績よりも、医師がどこまで患者さんのことを思ってやってくれるかが、最も大事になります。

教授、専門医といったような、どれだけたくさんの肩書きを持っていても、患者さんへの思いがない方は、ダメです。

医者を選ぶならば、人柄です。

人柄が悪かったら、主治医を変えてもらいましょう。めちゃくちゃな人格の医師は、存在します。

今かかっている病院が、良いかどうかの判断基準は、他にもあります。

1、医師以外の医療スタッフの対応が適切か?

看護師といったコメディカルスタッフの対応が適切かどうかで、受ける治療の質は変わります。

具体的な例でご説明します。

私が、がんの痛みで悩まれている方の診察をして、痛み止めの飲み方を説明して、患者さんが診察室から出ていったとします。

その後、看護師は、患者さんのところに行って、

「医師からの説明はちゃんとわかりましたか?もう一度説明しますね。もし、痛みが取れなかったら、夜間でも良いから病院に連絡してくださいね。」

といったような話を患者さんにしてくれます。

私の説明不足のところも、看護師が補ってくれます。

このような連携がうまく取れているかどうかが、判断基準の1つになります。

看護師といった医療従事者による患者さんへのサポートが優れている病院は、優れた病院であることが多いです。

余談ですが、私が研修医の頃の話ですが、どうして良いかわからないときは、看護師が、色々教えてくれたことを覚えています。

間違ったことをすると、看護師が、「熱があるのだから、ちゃんと血液培養取らないといけませんよ。」的なアドバイスをしてくれたことを覚えています。

経験のある看護師は、医師から見ても、とても心強いです。

2、標準治療を軸にした治療をしているか?

標準治療を軸にした治療を提案しているかという視点も大事です。

私は、漢方といった東洋医学的なことも取り入れていますが、標準治療を軸にした上で、東洋医学を提案しています。

逆に、標準治療を否定している医師は、絶対にダメです。

詐欺師といってもいいのかもしれません。

本日のまとめ

ある医師は、「がんは高度な戦争」と表現されていました。

そして、戦争においては、どのような参謀、つまり主治医を置くかも、とても重要です。

看護師によるサポートもとても大事になります。

そのあたりのことがしっかりなされていない時には、病院や主治医を変えることも考えても良いかもしれません。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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