1. TOP
  2. 乳がんコラム
  3. 乳がんが、目に転移したときの症状と対処法を解説

乳がんが、目に転移したときの症状と対処法を解説

 2021/01/20 乳がんコラム  

こんにちは。加藤隆佑です。

乳がんは、目に転移することがあります。

そのときの症状と、対処法をお伝えします。

乳がんが目に転移する頻度は?

乳がんが目に転移する頻度は、高いものではありません。

しかし、全身に乳がんが転移している場合には、4%の方に、乳がんに目に転移していたという報告もあります。

ちなみに、この4%の中には、全く症状がない方も含まれています。

目に転移をして、症状がでて、治療を要する場合は、4%よりも少ないでしょう。

また、目の転移は、以下のように分類されます。

  • 目の眼窩(眼球の入っている穴)、眼瞼(まぶた)への転移
  • 目の眼球への転移

眼球への転移は、さらに以下のように分類されます。

  • 脈絡膜への転移
  • ぶどう膜への転移
  • 視神経乳頭への転移
  • 網膜下への転移
  • 虹彩への転移

目に転移したときの症状は?

よくある症状は、以下のような症状です。

  • 物が二重に見える
  • 目の痛み
  • 視野障害
  • 視力低下

目への転移が原因で、緑内障、網膜はく離になることもあります。

そして、目への転移が疑われるときには、以下のような検査が必要になります。

  • 頭部MRI
  • 頭部CT
  • 視野検査など

注意点として、先ほどあげた症状は、目に転移していなくても、比較的よくでる症状です。

そして、万が一、これらの症状がでたとしても、大半のケースは、乳がんに転移によるものではないと診断されることになります。

目に転移したときの治療法

放射線治療が、非常によく効きます。

専門的な話になりますが、1日2グレイという量の放射線を15回から25回受ければよいでしょう。

注意点としては、目に転移したときの治療法は、広く知れ渡っていないことです。

放射線科の医師にとっては、目に転移したときの治療法は、放射線治療がよいとわかっていても、腫瘍内科、外科、眼科の医師は、そのことに精通していない可能性が高いです。

その結果、適切な治療が施されず、失明に至ってしまうことも、あります。

また、放射線治療を目に対して行っても、目のところ以外の乳がんの制御をしていくことも、必要です。

目のところ以外の乳がんを制御するために、知って欲しいことは、こちらで解説しています。

 

 

 

 

 

参考文献:乳癌の眼転移2例

関連記事

  • 乳がんの腫瘍マーカーであるCEAやCA15-3などについて医師が解説

  • 乳がんのステージ4でも楽に余命を伸ばす!今すぐ効果がある治療を医師が解説

  • 乳がんの再発でも楽に余命を伸ばす!末期からでも回復する治療を医師が解説

  • ベージニオ(アベマシクリブ)のホルモン受容体陽性乳がんへの効果と副作用を医師が解説

  • 乳がんの手術後に、腫瘍マーカーが上昇して、再発を疑わせる時の対処法を医師が解説!

  • イブランスというホルモン受容体陽性の乳がんに用いられる薬の効果と副作用