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多量に飲む漢方は、大量の野菜を食べているという側面もある。その意味を医師が解説

 2021/01/24 漢方  

こんにちは。加藤隆佑です。

がんを制御するために、そして症状をとるために、大量の漢方を飲まないといけないことがあります。

漢方をのんで、お腹がいっぱいになってしまう。。。

そんなこともあるかもしれません。

薬で、お腹がいっぱいになるというのは、あまりよいイメージを持たれないかもしれません。

西洋の薬であれば、そのような認識でよいですが、漢方の場合は、そうではありません。

漢方は薬という面だけでなく、植物、わかりやすく表現するならば、「薬効をたくさん持つ大量の野菜」を濃縮したものというイメージで、とらえることができるからです。

もう少しわかりやすく説明しますと、、、、

両手いっぱいの野菜を食べようとすると、お腹がいっぱいになりますよね。そして、それを食べたら、体によいものをたくさん食べたという気持ちになりますよね。

しかし、必ずしも、そのまま食べなくても、両手いっぱいの野菜の栄養を体に取り入れることはできます。

その方法は、以下のとおりです。

1、両手いっぱいの野菜を、水の中でコトコト煮ると、野菜の中の成分が抽出されて水に溶け出す。

2、その液体を沸騰させて濃縮させる。

そうすれば、お腹をいっぱいにならなくても、野菜の栄養を体に取り込むことができるようになるのです。

ちなみに、濃縮したものを、少し加工したものが、顆粒状の漢方の形態になります。

そのように考えれば、漢方は、多量の野菜の栄養を濃縮したものであると同時に、野菜の中にひめられた薬としての力も取り込むことができると考えることができるようになります。

もし、あなたがレイシの成分を濃縮したサプリメントを飲んでいるということであれば、栄養価や免疫力をあげるレイシというキノコの成分が濃縮されたものを摂取していることになります。

漢方を薬と考えるだけでなく、生命力をひめた大量の野菜が濃縮したものと考えると、イメージが変わるかもしれません。

同時に、飲み方も工夫をしてくださいね。

漢方は、どのタイミングで飲んでも大丈夫です。

食事をたべて、漢方は、1日かけて、ちょっとづつ飲むという形でもかまいません。

もし、煎じた漢方を用いる場合は、すべての漢方をまとめて煎じ、そして煎じたものをなるべく濃縮させることにより、飲む量をへらせます。

ただ、症状に対応するために、漢方の量がふやしたいところである一方で、食欲が低下していて、本来飲むべき漢方をすべてのめないときがあるかもしれません。

そのようなときには、漢方の取捨選択が必要になるかもしれません。

そのようなときには、漢方の内容を提案してもらっているところと、相談しながらやっていくとよいですよ。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医・指導医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医・指導医
札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」「大腸がんと告知されたときに読む本」「がんと向き合うために大切なこと」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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