こんにちは。がん治療専門医の加藤隆佑です。
最近、新しい治療薬が続々と登場しています。
今回は、実際に使えるようになった新薬と、もう少しで使えるようになる薬についてお知らせします。
これらの薬剤は、今後のがん治療において大きな希望をもたらす可能性が
あります。
使えるようになった新薬
1. ダトロウェイ点滴静注用100mg
効能・効果:化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能、または再発乳がんに使用。
特徴:TROP-2を標的とした抗体薬物複合体(ADC)で、がん細胞に直接強力な抗がん剤を送ることで、高い治療効果を期待できます。
2. テセントリク点滴静注
効能・効果:切除不能な胞巣状軟部肉腫に使用可能となりました。
特徴:免疫療法の一環として、がんの免疫チェックポイントをブロックすることで、体の免疫システムががんを攻撃するのを助けます。
3. イミフィンジ点滴静注
効能・効果:限局型小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法。
特徴:外科治療ができない小細胞肺がんの患者さんに、化学放射線療法後の再発防止に役立つ新しい治療選択肢となります。
4. ライブリバントとラズクルーズの併用療法
効能・効果:EGFR遺伝子変異陽性の進行・再発非小細胞肺がん
特徴:EGFR変異陽性の非小細胞肺がんに対して、初回治療の選択肢として非常に有望な薬剤です。
もう少しで使える新薬
1. テブダック点滴静注用40mg
効能・効果:がん化学療法後に進行・再発した子宮頸がんに使用予定。
特徴:がん細胞特有の因子を狙い撃ちし、強力な抗がん効果を発揮する
薬剤です。
がん治療は日々進化していますので、これからも新しい治療法や薬剤についてお知らせしていきたいと思います。